抄録
コロンブスの時代から世界に蔓延したとの噂さをもつ梅毒は,総合健診においては,潜伏梅毒の形で姿を現わし,その治療要否・治癒の判定は困難な場合が多い。 そこで,健診受診者における梅毒血清反応陽性者について15年間の追跡調査を行い,治癒判定の根拠を検討した。追跡症例は無治療24例,既治療43例,治療60例,早期潜伏梅毒15例の計142例である。 早期潜伏梅毒では治療後3年以内に低抗体価に達して安定,治療例では失張り抗体価の高いものは3~4年で低抗体価に安定した。更に既治療では中等度以下の抗体価のまま安定し,無治療例は低抗体価のまつで安定していた。 治療要否の決定は,未治療で抗体価中等度以上と考えてよいようであるが,感染時期の把握に努め,抗体価の判断に資すべきである。