2006 年 21 巻 3 号 p. 689-693
目的:本研究は2005年4月に,日本内科学会等8学会により発表されたメタボリックシンドローム(metabolicsyndrome:MS)の診断基準に沿ってどのような体格を目指せばデータの正常化が実現するかを検討することにある.方法:2004年度,当健診センターの人間ドック受診者18,377人(男性11,836,女性6,541)を対象とした.MSの診断基準において,A群:高グリセリド血症(150mg/dl以上)かつ/または低HDLコレステロール血症(40mg/dl未満),B群:空腹時高血糖(110mg/dl以上),C群:収縮期血圧(130mmHg以上)かつ/または拡張期血圧(85mmHg以上),D群:AかつB-G,E群:AかつC-G,F群:BかつC-G,G群:AかつBかつCとし,男女別にその分布状態を調べ,さらに,正常群:全体-(A+B+C),代謝異常群:D+E+F+Gにわけ,各々,体格指数(body mass index:BMI平均値),体脂肪率(bioelectrical impedance:BI平均値)を比較した.結果:結果は以下のようになった.男性の正常群(44.1%):BMI22.4,BI20.5.男性の代謝異常群(18.2%):BMI24.7,BI24.2.女性の正常群(69.4%):BMI21.2,BI26.2.女性の代謝異常群(6.1%):BMI24.3,BI31.5.結論:以上より,今回示した代謝異常群の平均値を利用し,メタボリックシンドロームと体格との関係が密に示された.さらにBMI24以上をMSの体格の基準値とし代用可能である.