抄録
目的:胃部X線検査において局在所見のない慢性胃炎を精査することで胃がん発見の向上につながるか検討した.方法:胃部X線検査からの精査として内視鏡検査を行った6,583例のうち,局在所見の指摘によって内視鏡検査を施行した例と慢性胃炎の程度から内視鏡検査を施行した例に分類し各々胃がん発見数,胃がん発見率について検討した.結果:局在所見の指摘による胃がん発見数44例,胃がん発見率0.74%.慢性胃炎からの胃がん発見数11例,胃がん発見率1.63%.結論:ある一定の条件に基づいて慢性胃炎を精査することは胃がん発見の向上につながると思われる.