日本助産学会誌
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経腟触診による骨盤底筋訓練の有用性―褥婦からの評価―
池田 真弓
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2019 年 33 巻 2 号 p. 185-199

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抄録

目 的

本研究の目的は,産褥期に経腟触診で指導する骨盤底筋訓練の有用性について,骨盤底筋収縮の指導前後の変化と,褥婦の反応から評価することである。

方 法

助産所で分娩した経過の順調な褥婦14名を対象に,産褥4日目に助産師が経腟触診で骨盤底筋訓練を指導した。この指導法の有用性を評価するために,骨盤底筋収縮の指導前後の変化と褥婦の反応を指標とした。骨盤底筋収縮の指導前後の変化は,Oxford scaleを用いて骨盤底筋収縮力を測定した。併せて,外陰部の動き・代替収縮の有無・収縮感覚の3つを観察した。褥婦の反応は,実施直後のインタビューと1か月後の無記名式質問紙による質的データを分析した。

結 果

骨盤底筋収縮力の弱い褥婦の多くは,指導後に代替収縮が消失し,指導前よりも収縮感覚がわかるようになった。骨盤底筋の動かし方がわからなかった5名は指導後にOxford scaleの改善がみられ,経腟触診によって収縮部位や収縮感覚が理解できた為の変化と思われた。ピアソンの相関係数において,Oxford scaleと外陰部の動き・代替収縮・収縮感覚との間に強い正の相関がみられ,骨盤底筋収縮の評価指標になることがわかった。インタビューと質問紙による記述からは否定的な意見はみられなかった。褥婦からの評価として,【骨盤底筋収縮の体得】【経腟触診に対するニーズ】の2つのカテゴリが抽出された。

【骨盤底筋収縮の体得】では,〈収縮部位の理解〉〈収縮の実感〉〈自分ができているかの確認〉のサブカテゴリが抽出され,【経腟触診に対するニーズ】では,〈実施者への信頼〉〈痛くない触診と羞恥心への配慮〉のサブカテゴリが抽出された。

結 論

産褥期に経腟触診で指導する骨盤底筋訓練は,収縮部位の理解・収縮の実感・自分が正しくできているかの確認ができ,有用な指導法である。特に骨盤底筋収縮のわかりにくい褥婦に有用であることが示唆された。

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