抄録
目的:労働安全マネジメントシステムの柱である計画-実行-評価-改善のサイクルを腰痛予防の保健指導に導入し,その手法を考察することを目的とした.方法:某小規模自治体で職員の腰痛予防体操を普及させる取り組みを行った.この取り組みの柱となる腰痛体操の普及には,体操の内容の吟味とともに,学習教材の開発とその伝達方法を工夫することが重要であると考え,より簡単な体操を指導するとともに,パンフレットとビデオを自作し各職場を巡回し直接紹介し配布した.結果:今回提供した体操はその効果は期待されるものであった.しかしながら,われわれが提供した体操を実施している職場はなかった.それを改善する糸ロとして,アンケート調査の結果から職員の健康管理に対する意欲の高揚が必要であると考えられた.結論:今後さらに活動を普及させるには職場全体で体操に取り組もうとする環境づくりが必要であると考えられた.また,今回の取り組みでは,PDCAサイクルを導入したことで課題の抽出とその改善策を見出すことができた.今回の取り組みは,腰痛対策をテーマとした職域における運動指導の普及策について検討したものであるので,この手法は生活習慣病を対象とした保健指導にも応用しうるものと考えられる.