2012 年 13 巻 1 号 p. 48-54
ユニバーサルデザイン(UD)の学習を通じて,共生社会の重要性に気づける高等学校家庭科教育の教育プログラムを開発した.UD事情,事例調査,先行研究等をもとに授業内容を構築し,シラバスと手引き書を作成し,さらに協力校に依頼して授業実践を行った.授業後の生徒のセルフチェックにおいては,“世の中には多様な人々が存在する”“そのためモノや生活環境へのさりげない配慮が必要である”“ 世の中にはさまざまなUD製品が存在する”“ユーザーは単なるクレーマーにならず主体的な声を企業や行政に届けるほうが,よりよい社会環境の実現につながる”など,多くの良好な回答が得られた.実践授業を実施した教員からの意見も踏まえ,さらにUDを推進する企業からの意見も得て,共生社会の理解を念頭においた授業内容として整備をした.