忍者研究
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戦国時代の忍びの実像
平山 優
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2020 年 2020 巻 3 号 p. 1-

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抄録

本稿は、二〇一九年に上田市で開催された国際忍者学会における記念講演「戦国時代の忍びの実像について」を論文化したものである。本稿では、まず、戦国期の忍びについて、戦国末期から近世にかけての人々がどのように認識していたかを、武家故実書の『武家名目抄』、近世初期成立の軍記である『甲陽軍鑑』での記述を検討した。そこでは、忍びとは①草、かまり、透波、乱波、突破など多様な呼称があり、②戦場では最前線に配置され、夜間の陣所警護、夜討などを任務としていた。また、夜間の敵城潜入や放火、乗っ取りなど、戦国大名にとって、正規軍同士の会戦以外の部分で、大きな活躍が期待され、③その出自はおもに、悪党(アウトロー)出身者)が多かったが、④戦国大名が課役として村町から動員した者もいた、などと記されていた。これらの記述を、戦国期の史料より検討してみると、これらの認識はほぼ正しく、忍びは、戦国大名の軍隊では「足軽」に編成され、おもに夜間の戦闘(夜討、潜入)や敵の城砦、陣所への潜入、放火、最前線での伏兵や略奪などをになっていたことを明らかにした。そして、戦国大名が彼らを登用した背景には、軍事的要請のほかに、領国内の治安維持を担わせるという意味があったことも指摘した。

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