NIRAワーキングペーパー
Online ISSN : 2758-2183
政府規模と国民負担をめぐる熟慮・熟議型調査
川本 茉莉
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2022 年 3 巻 p. 1-19

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抄録
NIRA総研では、人々に受け入れられる政策ビジョンを構築するための研究プロジェクトを立ち上げ、経済・社会に関する4つのテーマに関する調査を実施した。本稿では、そのうちの1つである「政府規模と国民負担」に関して報告する。今回の調査では、行政サービスについて簡素化すべきか手厚くすべきか、また国民負担について減らすべきか増えるのはやむを得ないかを、それぞれ質問した。同時に、社会保障費など政府支出や税金など国民負担に関する項目別に、減らすべきか増やすべきかについてもたずねた。調査の結果、国民負担全体に対する考え方と、各項目への考え方がおおむね整合的であったのに対し、行政サービス全体の規模に対する考え方は、必ずしも具体的な項目ごとへの考えと結び付いていないことが分かった。また、この議題に関する専門家の論考を読み、その中で支持する論点を調査したところ、所得制限のないユニバーサルサービスを支持するのは所得制限などで給付対象外となりがちな高所得層が多く、逆に経済的弱者は給付対象者を絞るターゲティングでのサービス提供を支持していることが判明した。
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