西日本皮膚科
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研究
ODT療法による病巣皮膚表面のブドウ球菌の変動に関する観察
高屋 通子
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1969 年 31 巻 1 号 p. 15-18

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抄録

ODT療法の副作用の1つとして,Saran Wrap(SW)除去後特有の悪臭が認められるが,その一因をなすと思われる皮膚表面に常在するブドウ状球菌(ブ菌)について,特にODT前後の病巣部におけるブ菌をStaphylococcus 110培地で培養した。その結果,病巣部およびSWを消毒,または当該部に明バンを撒布した2方法では,ブ菌の発育は阻止され,その際悪臭も認められなかつた。他方,抗生物質含有コルチコイド軟膏の使用,病巣部またはSWの一方のみを消毒した場合などでは,ブ菌の増生がみられ.また,悪臭も認められた。以上のことはブ菌の増生と悪臭との間に何らかの関りがあるものと考えられた。

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© 1969 日本皮膚科学会西部支部
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