西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
特別講演
蕁麻疹
矢村 卓三
著者情報
ジャーナル 認証あり

1969 年 31 巻 2 号 p. 91-95

詳細
抄録
蕁麻疹は多くの原因によつておこつてくる皮膚の一反応で,それは皮膚の一過性の紅斑性,白色性腫脹である。われわれはその発現機序について研究し,つぎの結果をえた。
1)蕁麻疹をおこすものでもつとも考えられるものはヒスタミンで,それは皮膚の真皮上層の血管周囲に存在するマスト細胞から遊離され,それがその部の血管に働いて,血管拡張,透過性亢進,すなわち蕁麻疹をおこしてくる。このマスト細胞からヒスタミンを遊離さすヒスタミン遊離物質は多くは血行を介して皮膚に到達するようである。
2)デルモグラフィーは主としてキニンが関与するように思われる。
3)コリン性蕁麻疹についてはさらに検討する必要がある。
著者関連情報
© 1969 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top