西日本皮膚科
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症例
Schweninger-Buzzi型特発性斑状皮膚萎縮症の1例
金出 明子幸田 弘隅田 松子
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1970 年 32 巻 1 号 p. 8-14

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抄録
32才,女。20才頃,腹部に豌豆大までの半球状にやや隆起した皮疹ができているのに気づいたが,自覚症状がないので放置していた。31才の時,第1子出産後急に皮疹が胸部,背部に拡つた。経過中,紅斑,水疱,膨疹の発生はなかつた。皮疹は正常あるいはやや白色がかつた皮膚色で嚢状を呈し表面に縮緬様の皺襞を有す。触れると柔かく指先きで押すとあたかもヘルニア門のごとく触れる。組織学的にはH.E.染色で表皮の萎縮扁平化,附属器の消失,Weigert染色で真皮上層の弾力線維の消失がみられた。著者らはこの症例を紅斑,水疱,膨疹の前行を欠くことからSchweninger-Buzzi型特発性斑状皮膚萎縮症と診断し,現在までの本邦報告例10例とあわせて統計的観察および文献的考察を行なつてみた。
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© 1970 日本皮膚科学会西部支部
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