西日本皮膚科
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症例
Mycobacterium marinumによる皮膚感染症の1例
田崎 高伸中溝 慶生村岡 静子武谷 健二
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ジャーナル 認証あり

1973 年 35 巻 1 号 p. 5-8

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抄録
57歳の漁師の妻の右手に貝殻による外傷後に肉芽腫様の病巣を生じた。臨床症状が,スポロトリクム症に酷似しているため一時この診断のもとに治療をうけていたことがある。病状は一進一退であり発病後10年して当科を受診した。組織学的,細菌学的な検索により本疾患はMycobacterium marinumによる皮膚感染症であることが判明した。分離菌の薬剤感受性試験をおこない,rifampicineとethambutolを投与した結果,病巣は瘢痕となつて治癒した。
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© 1973 日本皮膚科学会西部支部
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