西日本皮膚科
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シンポジウム―紅皮症―
紅皮症の発生機序
地土井 襄璽
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1973 年 35 巻 2 号 p. 94-99

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抄録

亜急性型9例,慢性型16例,尋常性乾癬,中毒疹,先天性魚鱗癬様紅皮症,Reiter病からの紅皮症,各1例の計29例について,血清,および,尿での諸検査をおこなつた。その結果,異常を示したものは末梢白血球数,好酸球の増加,総蛋白,アルブミンの減少,グロブリンの増加,コリンエステラーゼの減少,17KSの低下などであつた。さらに,8例にツベルクリン反応をおこない,5例が陰性であつた。DNCB試験では7例中5例が陰性であつた。免疫グロブリン測定では,IgG,IgA,の増加がみられ,SLE,ベーシェット病と,そのパターンが酷似していた。鼠径部リンパ節では,皮質,傍皮質領域のリンパ球の減少,髄索領域の形質細胞の増加がみられた。これらの結果を考え合わせ,さらに文献的考察をおこない,紅皮症は自己免疫疾患の範疇に入るものと結論した。

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© 1973 日本皮膚科学会西部支部
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