1976 年 38 巻 5 号 p. 771-774
3才9ヵ月女児の, 左第2, 3趾に発生したinfantile digital fibromatosisを報告した。切除と植皮術を行ない4ヵ月後も再発を認めていない。組織学的には, 全腫瘤に好酸性顆粒を線維芽細胞の胞体内に認めた。発生後, 約10日経過の腫瘤では表皮の変化が強く, 有棘層および顆粒層の一部に著明な細胞内浮腫, ところにより変性細胞を認めた。これらの変化は, 病因解明になんらかの手がかりになるかもしれず, さらに新しい皮疹について検討していく必要があると思われる。