晩発性皮膚ポルフィリン症2例を報告した。症例1は61才の男子で, アルコール大量摂取歴があり, 糖尿病を合併している。1年前より手背に小水疱および糜爛局面を生じ, 現在, 露出部に色素沈着をみ, 小水疱, 小瘢痕を混在している。尿中UP3130.6
μg/
l, CP677.4
μg/
lと増加していたが, 血球中CP, PPは正常であつた。肝機能では軽度のS-GOT, S-GPTの上昇があつた。皮膚病理組織学的には真皮上層の小血管周囲に軽度のPAS陽性物質の沈着をみる。症例2は72才の男子で, 約50年間アルコールの大量摂取歴があり, 4~5年前より肝障害を指摘された。1年前より手背に小水疱形成, 糜爛を生じ, 受診時, 露出部の色素沈着, 顔面, 手背に小瘢痕, 小水疱が散在, 手関節背面では皮膚肥厚があつた。肝機能ではS-GOT, S-GPTの上昇があり, 尿中UP1919.7
μg/
l, CP447.9
μg/
lと上昇していた。病理組織学的には症例1と同様の変化を示した。
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