西日本皮膚科
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研究
広島地方における最近8年間の白癬菌相
原 宜之坪井 尚
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1976 年 38 巻 6 号 p. 941-945

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抄録

昭和43年より50年までの8年間に当院を受診した白癬患者総数は8,027名で, これは同期間の外来患者総数の7.4%にあたる。またこれらを病型別に累計すると9,671件となり, なかでも足の汗疱状白癬が5,209件(64.9%)でもつとも多く, ついで頑癬の2,537件(31.6%), 趾爪白癬の908件(11.3%)とつづく。なお分離同定しえた白癬菌は7種で計7,514株であるが, その内訳をみるとT. rubrumが全体の76.2%にあたる5,726株を数え, ついでT. mentagrophytesの1,405株(18.7%)である。その他の菌種は少ないがM. canisの165株(2.2%), E. floccosumの141株(1.9%), M. gypseumの53株, T. violaceumの20株, T. verrucosumの4株である。さらに重複感染は50件で, なかでもT. rubrumT. mentagrophytesの組合わせが35件でもつとも多い。

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© 1976 日本皮膚科学会西部支部
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