抄録
症例:26才女性, 初診:昭和51年1月26日15才のとき陰股部, 下腹部, 大腿に紅斑, 膿疱, 縻爛, 痂皮を生じ, 近医を受診し外用療法をうけ治癒した。翌年夏, 同様の皮疹が両腋窩に生じ, 内用および外用療法にて治癒した。その後9年間, 皮疹の発生はみなかつたが, 昭和50年6月紅斑, 膿疱, 小水疱, 痂皮が躯幹, 腋窩に生じ, 漸次, 拡大して上腕内側, 大腿, 臀部に生じたため当科を受診した。細菌培養(-), ヨードパッチテスト(-), ツ反応(-), DNCB感作不成立, 血清Ca値正常, 螢光抗体法(-)であり, 組織検査などにより角層下膿疱症と診断した。