抄録
PPD, PHA, PWMおよびLPSの各皮内反応部にskin window法(SWT)を行なつて, その遊出細胞の経時的消長を観察したところ, これら4反応のいずれにおいても, 好塩基球および好酸球の遊出が認められた。PHA, PWMおよびLPS部における好塩基球の経時的遊出パターンのPPD部におけるパターンとの類似性はPHA部にもつとも高く, ついでPWM, LPSの順になつていた。以上の事実からPHA, PWMおよびLPSの名皮内反応は, PPDと同様に細胞性免疫能を反映しており, その反映度はPHA, PWMついでLPSの順に高いことが推察された。ついで, SWTが被検者に与える負担を少くして, これの各種皮膚疾患にたいする臨床応用を容易にするために考案したscrarch SWT(仮称)の手技を紹介するとともに, その利点および欠点について検討した成績を報告した。