1977 年 39 巻 3 号 p. 338-344
ヘルペス感染症にパーカーインク法および電顕的細胞診をもちいてその診断価値を検討した。パーカーインク法では単純疱疹38例中30例, 帯状疱疹48例中41例, 水痘では16例全例にウイルス性巨細胞を検出できた。電顕的細胞診では単純疱疹30例中26例, 帯状疱疹18例中18例, 水痘12例中11例にヘルペスウイルス粒子を認めた。以上の結果からパーカーインク法は診断困難なヘルペス感染症の迅速診断法として, また電顕的細胞診は同症の簡易な確定診断法として有力な方法とおもわれる。