抄録
Sunburn反応および8-MOP塗布後にUVAを照射して生起する紅斑反応(PUVA紅斑)における局所線溶の変動を追求した。両反応とも局所線溶は紫外線照射1~6時間後に, sunburnにおいては真皮下層で, PUVA紅斑においては真皮上層で亢進した。Sunburnではこの時期に潮紅が増強し, 12時間以降は潮紅の減弱とともに局所線溶活性も真皮全域で低下し, 72時間後には紅斑は消退し, 線溶現象も認められなかつた。他方, PUVA紅斑においては局所線溶の亢進期には紅斑が生じることなく, 正常活性に復した約18時間後から紅斑を認めるようになつた。それ以降は紅斑はしだいに増強したが, 局所線溶は真皮上層で減弱し, 96時間後には消失した。この間, 真皮下層の線溶活性は動揺していたが, 96時間後も正常活性が保たれていた。また, 抗プラスミン剤の投与はPUVA紅斑を抑制した。