農業農村工学会誌
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農地基盤整備における有機質資材の長期炭素残存率の推計
佐藤 俊典
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2015 年 83 巻 1 号 p. 31-67,a2

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抄録

農地基盤整備では,土壌改良工や暗渠工の施工に際して,有機質資材が使用されており,これらによる地中への炭素隔離により,温暖化ガスの排出削減に間接的に寄与できる可能性がある。しかしながら,実際に期待できる炭素の貯留効果についての具体的な検討は,試験研究機関により,一部の調査地区のデータに限定して行われた調査研究以外に見当たらない。そこで,農林水産省農村振興局農村環境課では,農地基盤整備における炭素貯留の可能性を探究する目的で,北海道から九州にいたる全国33カ所の圃場で,実際に資材を埋設し,3年間の炭素残存率の分析結果をもとに,長期にわたる炭素残存率の推定を試みた。本報では,その結果概要について報告する。

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© 2015 公益社団法人 農業農村工学会
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