西日本皮膚科
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シンポジウム—皮膚科領域における走査電顕の応用—
アポクリン分泌腺の走査電顕的観察
井上 多栄子福留 初子
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1978 年 40 巻 2 号 p. 210-216

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抄録

アポクリン分泌腺としてヒト腋窩アポクリン汗腺とラット授乳期乳腺をえらび, 走査型電子顕微鏡で観察し以下の所見を得た。ヒト腋窩アポクリン汗腺の分泌形式に三種類のアポクリン形分泌を認める。すなわちマクロアポクリン形, ミクロアポクリン形, 中間形アポクリン分泌である。マクロアポクリン形分泌は腺細胞中央より一個のアポクリン形細胞質突起を作る。この突起には微絨毛を欠いている。ミクロアポクリン形分泌はアポクリン形細胞質突起上にある微絨毛の先端がふくれ離断する。中間形アポクリン分泌は数個の微絨毛が同時にふくれ融合しアポクリン形突起を作る。ラット授乳期乳腺にもミクロアポクリン形分泌がある。この分泌は微絨毛が一ヵ所密生し, 長くのび先端がふくらみ離断する。

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© 1978 日本皮膚科学会西部支部
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