西日本皮膚科
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40 巻 , 2 号
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図説
綜説
シンポジウム—皮膚科領域における走査電顕の応用—
  • 藤田 英輔
    1978 年 40 巻 2 号 p. 188-189
    発行日: 1978/04/01
    公開日: 2012/03/23
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  • 松中 成浩, 三島 豊
    1978 年 40 巻 2 号 p. 190-197
    発行日: 1978/04/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    角化異常症, とくに尋常乾癬皮疹表面の三次元微細構造について走査電顕を用いて観察すると, 200mμ前後のほぼ一定間隔で配列する卵円形から楕円形の平均約400mμの多孔状陥凹構造を示す角質細胞と, ときにこれに対応するような手拳状, 臼歯状, 山稜状の多数の絨毛状突起構造を有する角質細胞が存在することを見出したが, さらに両構造に近く小陥凹が少数見られることを述べた。われわれは突起構造を有する角質細胞は本症の表層角質細胞の剥離反転による裏面を示す像であることを半剥離反転細胞や皮疹部の粘着テープ剥離法で確認した。これらの微細構造により重層する角質細胞間には剥離抵抗性の密な連繋を生ずるが皮疹部の辺縁や軽快部では多孔状陥凹構造も浅在性となる。このような本症の病的角質細胞の表面微細構造の変化を定量的に解析するために航空写真の地上表面解析に用いる写真濃度測定装置を走査電顕像に応用しうる可能性を検討した。
  • 神保 孝一, 竹田 勇士, 杉山 貞夫
    1978 年 40 巻 2 号 p. 198-204
    発行日: 1978/04/01
    公開日: 2012/03/23
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    皮膚色素細胞の分化·形質発現の変化を外的表現型と内的表現型に分け, in vitro正常色素細胞(melanocyte), 腫瘍細胞(melanoma cell)を材料とし, 走査型電顕(SEM)と透過型電顕(TEM)を用い比較し, 細胞の外的変化と細胞分化の変異に基づく機能的·内的変化との相関を求めた。
    1) SEM像: Melanocyteの細胞表面ではvillous processの発達がきわめて悪い。これに反しmelanoma cellではきわめて良い。Melanosome transferはmelanosomeが樹枝状突起外に一度分泌され, その後ただちにkeratinocyteにより貪食されることによりなされる。Melanosome外膜直下にはglobular body(内径400Å)が存在する。
    2) TEM像: Melanocyte, melanoma cell内にはmicrotubule, 50Å filament, 100Å filamentがcytoskeletonとして存在し, cytomorphogenesisに関与する。100Å Filamentはmelanosomeの細胞内移動に, 50Å filamentは細胞の培養皿へのanchoringに関与する。SEM下で認められるglobular bodyはmelanosome外表面のみならず内部の薄膜間にも存在する。
  • 三島 豊, 芋川 玄爾
    1978 年 40 巻 2 号 p. 205-209
    発行日: 1978/04/01
    公開日: 2012/03/23
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    メラニン生成細胞におけるtyrosinase酵素の濃縮配列機構を小胞体の立体構造とその機能的分化の見地より追求し, その形態学的特徴の立体構造的解析のため, 厚切片傾斜試料台高圧電顕観察や各小胞体分離分画の電顕negative染色観察とともに同じ細胞分画のfield emission型走査電顕による観察を行ない, 小胞体内膜系におけるtyrosinase活性部位はゴルジ装置とことなるtubularおよびvesicle構造を有するGERL-coated vesicle系に局在し, 小胞体内膜系には機能的ならびに立体構造的分化が行なわれていることをみいだした。
  • 井上 多栄子, 福留 初子
    1978 年 40 巻 2 号 p. 210-216
    発行日: 1978/04/01
    公開日: 2012/03/23
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    アポクリン分泌腺としてヒト腋窩アポクリン汗腺とラット授乳期乳腺をえらび, 走査型電子顕微鏡で観察し以下の所見を得た。ヒト腋窩アポクリン汗腺の分泌形式に三種類のアポクリン形分泌を認める。すなわちマクロアポクリン形, ミクロアポクリン形, 中間形アポクリン分泌である。マクロアポクリン形分泌は腺細胞中央より一個のアポクリン形細胞質突起を作る。この突起には微絨毛を欠いている。ミクロアポクリン形分泌はアポクリン形細胞質突起上にある微絨毛の先端がふくれ離断する。中間形アポクリン分泌は数個の微絨毛が同時にふくれ融合しアポクリン形突起を作る。ラット授乳期乳腺にもミクロアポクリン形分泌がある。この分泌は微絨毛が一ヵ所密生し, 長くのび先端がふくらみ離断する。
  • 植木 絢子
    1978 年 40 巻 2 号 p. 217-223
    発行日: 1978/04/01
    公開日: 2012/03/23
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    ヒトの肺や四肢の皮下結合織より分離培養した線維芽細胞をはじめ, 脊椎動物に属する鳥類·爬虫類·両生類·魚類の動物より分離した線維芽細胞がEACとimmune adherenceを生じてロゼッテを形成する様子を走査電子顕微鏡的に観察した。これらの所見は膜螢光抗体法による線維芽細胞膜へのヒトβ1c/β1aグロブリンの結合の現象とよく一致する。走査電子顕微鏡で観察すると, いずれのEACロゼッテにおいても線維芽細胞の表面のmicrovilliを介してEACが結合している点で共通であり, 細胞とcollagenaseやpapainで処理して浮遊細胞とすると典型的な美しいロゼッテ像が認められる。以上の所見より, 線維芽細胞膜のC3リセプターが生物界に広く分布していることが判明した。このリセプターの生物学的役割については今後の検討を要するが, 結合織に広く分布する線維芽細胞が必要に応じて異物処理に一役を演じている可能性があるとすると興味深い。
  • —Lymphomaを中心として—
    内山 光明
    1978 年 40 巻 2 号 p. 224-229
    発行日: 1978/04/01
    公開日: 2012/03/23
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    皮膚割断面を走査電顕(SEM)で観察し, 皮膚浸潤細胞の性状を知る一助とすることを試みた。対象としてlymphomaのいわゆる特異疹を選んだ。SEM観察と併行して皮疹から遊離した細胞を免疫学的にT cell, B cellに分類し細胞同定の一助とした。割断面をSEMで観察した場合, 豊富な膠原線維が浸潤細胞の観察と妨げることが多いが, これを解決するひとつの方法としてcollagenaseによる処理法を考えた。T cell typeのCLLではSEM像は表面, smoothであり, T cellも71%であつた。B cell type lymphomaではB cellは93%であつたが, 細胞表面はsmoothなものが多かつた。Non Hodgkin lymphomaではmicrovilliの多い細胞がみられたが, T cellは66%であつた。Mycosis fungoidesではT cell 62%であり, 真皮中の浸潤細胞もほとんど表面smoothであつた。結論としては, 組織中の浸潤細胞の表面形態のみでT cell B cellを見わけることはいちじるしく困難であるといえる。
  • —I. Neurofibroma構成細胞の走査電顕および組織培養法による研究—
    荒木 勲生
    1978 年 40 巻 2 号 p. 230-247
    発行日: 1978/04/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    Recklinghausen病のneurofibroma構成細胞を樹脂割断法および組織培養法により, 主として走査電顕的に観察した。樹脂割断法では楕円形ないし類円形の割断面を呈し, 細胞質の狭いSchwann細胞と考えられる細胞, および分葉状ないし不整形の核を有し, 細胞質が広く, 内部に多数の小孔ないし桿状構造物を含む線維芽細胞と考えられる細胞の2種が観察された。走査電顕的観察後の試料を再包埋後, 透過電顕的に観察したところ, 細胞質内に空胞形成, 小器管や核の不明瞭化などを生じていたが, 走査像上の両細胞の同定は可能で, この点有用であつた。組織培養法細胞の光顕的観察でも小型紡錘形のSchwann細胞および大型多角形の線維芽細胞の2種が観察された。この培養Schwann細胞は走査像では太く長い2∼3本の細胞質突起および細胞表面における細胞長軸に平行する幅0.5μ前後の溝形成および丘状部に配列した球状構造物を有していた。培養線維芽細胞は数本の長い細胞質突起を有し, 輪郭は多角形で, 糸状足や微絨毛の発達が良好であつた。
  • —正常真皮, Scleromyxedema, SLE, PSSとアミロイド症—
    大橋 勝, 藤井 隆
    1978 年 40 巻 2 号 p. 248-254
    発行日: 1978/04/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    走査電顕を用いて正常真皮, scleromyxedema, SLE, PSSとアミロイド症の基質と線維成分の立体構造を観察した。像の解釈には組織化学と透過電顕を併用した。正常真皮乳頭層とscleromyxedemaではグルタールアルデハイドとオスミウム酸の二重固定では基質を観察できず, ムコ多糖を固定するFAC固定を行ない, 菌ヒアルロニダーゼ消化と対比した。線維成分に異常のあるSLE, PSSではグルタールアルデハイドとオスミウム酸の二重固定で観察した。皮膚アミロイド症のアミロイド細線維は通常の走査電顕では観察不能であり, 臨界点乾燥と電界放射型走査電顕で観察した。これらの観察結果と解釈を記載するとともに, 走査電顕の真皮への応用上での2, 3の問題点も論じた。
  • 田中 敬一
    1978 年 40 巻 2 号 p. 255-258
    発行日: 1978/04/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
症例
  • 日野 由和夫, 西村 正幸, 幸田 弘
    1978 年 40 巻 2 号 p. 259-267
    発行日: 1978/04/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    臨床的にも組織学的にも典型的なproliferating trichilemmal cystの60才, 62才女子例を報告した。電顕的観察により腫瘍細胞内に繊細ではあるがきわめて豊富なtonofilamentおよび類円形で電子密度の低いkeratohyaline granuleを認めた。また角化部では細線維が束状ないし集塊状に剥離するような角化などがみられた。本症の角化はtrichilemmal cystよりもさらに未熟ではあるが, 本質的には表皮の角化機転と類似していると考えた。
  • 長尾 洋, 武 誠, 萩山 正治, 小玉 肇, 荒田 次郎, 喜多村 勇, 小倉 英郎
    1978 年 40 巻 2 号 p. 268-275
    発行日: 1978/04/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    8ヵ月女児の腸性肢端皮膚炎を経験し, 硫酸亜鉛内服により治癒せしめた。本症例においても経時的に血清脂肪酸分析および免疫学的検索をおこなつた。血清脂肪酸分析では検査上異常は認められなかつたが, 免疫学的検索では細胞性および体液性免疫の低下の所見(PHAによるリンパ球の芽球形成率の低下, DNCB貼布試験で初回2000γで感作不成立, 低ガンマグロブリン血症, IgG低値およびPWMによる芽球形成率の低下)を得た。亜鉛内服による臨床症状の改善とともに, 芽球形成率はまだ正常化していないがそのほかの検査成績は回復したことから, 本症例における免疫異常と亜鉛との関係が示唆された。本症例における発症機序を推測するとともに, 腸性肢端皮膚炎における亜鉛療法および免疫異常について若干の考察を加えた。
  •  
    伯川 貞雄
    1978 年 40 巻 2 号 p. 276-284
    発行日: 1978/04/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    昭和49年, 50年の2年間に433例の毛包虫異常寄生例を経験した。昭和50年に来院した298例のうち175例(58.7%)にステロイド軟膏の常用が確認され, とくにいちじるしい寄生があつた63例では56例(88.8%)が半年から7年におよぶ常用を行なつていた。異常寄生は女子顔面再発性皮膚炎の症状を示すものに多く, ざ瘡様丘疹や細小血管拡張をみる症例にも多く認められた。Demodex folliculorum(Simon)は顔面の各部位で検出されるが, D. brevis(Akbulatova)は酒〓の状態を示す鼻部に高率に検出された。ステロイド軟膏の常用が毛包虫の異常寄生を起す原因については, 皮膚表層部の炎症とその消退のくり返しが, 本来は静的である毛包虫のlife cycleを動的なものへと変換させるために, 異常繁殖をおこすのではないかと想像している。
  • —教室の症例を中心として—
    新野 昌子, 阪田 和明, 重見 文雄, 武田 克之
    1978 年 40 巻 2 号 p. 285-291
    発行日: 1978/04/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    昭和24年から昭和52年夏までの約28年間に徳島大学皮膚科外来を訪れた種痘疹25例(男子10, 女子15例)について統計的観察を行なつた。年令別にみると, 2才以下が18例で, 第1期種痘によるものが圧倒的に多かつた。病型では種痘性湿疹が12例と半数をしめ, このなかには, 高熱をともなつた重症例もみられた。種痘をしてから発病までの日数はだいたい7∼10日であつた。また, 最近の5症例についてはその臨床像, 臨床経過などを記載した。
  • 税田 武三, 吉永 愛子, 岡 道基
    1978 年 40 巻 2 号 p. 292-298
    発行日: 1978/04/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    下床に腺癌をともなう外陰部Paget病(以下Pと略す)の2例(65才, 86才男性)を報告した。2症例とも3年前より左陰嚢部に紅斑が出現, 徐々に進行して糜爛を呈し, 硬結を触れるようになつた。症例1では同時に前立腺癌の合併があり, 外陰部P病病巣切除と除睾術および抗男性ホルモン療法を行ない, 症例2では左鼠径リンパ節へ腺癌の転移がみられ, 外陰部P病病巣切除と除睾術および左鼠径リンパ節摘出により小康状態を得ている。以上2症例を報告し, 外陰部P病の病因論, 他臓器悪性腫瘍の合併およびホルモン療法につき文献的考察を行なつた。
研究
  • —病理組織学的および電顕的検索—
    西村 正幸, 幸田 弘, 占部 治邦
    1978 年 40 巻 2 号 p. 299-313
    発行日: 1978/04/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    九州大学医学部附属病院皮膚科において過去5年間に経験した12例のpilomatrixomaについて臨床像, 病理組織学的所見および1例の電顕所見について報告した。組織所見および電顕所見にて自験12例のいずれにも脂腺および外毛根鞘への分化をみとめなかつたことから, 本腫瘍は未熟な多分化能を有する第一次上皮芽細胞から生ずるとするよりも, より分化した未熟な毛母細胞から生ずるものと考えた。さらに本腫瘍における間質はたんなる付随的なものではなく正常毛組織における毛乳頭に相当するもので, 腫瘍の増殖に密接な関連を有し, 一方では豊富な血管網からのいちじるしい出血が特徴的な石灰沈着の一次的要因と推測した。
  • 岩津 都希雄, 苅谷 英郎, 岡本 昭二
    1978 年 40 巻 2 号 p. 314-319
    発行日: 1978/04/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    6例のchromomycosisに5-FCの投与を試み, その治療経験を報告した(3例は報告ずみ)。原因菌は全例Fonsecaea pedrosoiで, これらの菌にたいする5-FCのMICは3.9∼62.5mcg/mlであつた。5-FCを1日112∼134mg/kg, 7週間から9ヵ月間投与した。結果は治癒4例, やや有効(治療には至らず)2例の成績を得た。副作用は全例みられなかつた。また, これら自験6例の治療経験と昭和52年9月までに入手し得た本邦における5-FC治療例28例の文献上の記載をもとにして5-FCによるchromomycosisの治療を行なう際に問題となる2, 3の点について検討を加えた。
  • 本房 昭三, 末永 義則
    1978 年 40 巻 2 号 p. 320-322
    発行日: 1978/04/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    マウスの静脈内あるいは腹腔内にCandida utilisを接種し, その病原性をC. albicans, Saccharomyces cerevisiaeと比較検討した。C. albicansは主として腎に膿瘍を形成したがC. utilisはなんら病変を形成しなかつた。C. utilisC. albicansに比較し, 病原性はきわめて低いものと考えられる。
  • 松本 厚生, 城 和男, 難波 和彦
    1978 年 40 巻 2 号 p. 323-330
    発行日: 1978/04/01
    公開日: 2012/03/23
    ジャーナル 認証あり
    創傷の治癒をすみやかにかつできるだけ美しく行なわせることは皮膚科や形成外科領域における最大の課題である。今回われわれは白色家兎を用い, 白色ワセリンを木綿ガーゼに浸透させたもの(マルザルベ-Vガーゼ)としからざるものとの間での創傷治癒にたいする影響を採皮·潰瘍モデルを作製し検討した。その結果, マルザルベ-Vガーゼは他薬剤ガーゼと比較して, 浸出液の排出性の良さに加えて, 適量の白色ワセリンの含有が良好な肉芽創面を維持し, すみやかな表皮再生を促した。さらに刺激性, 二次感染もなく, 再生表皮が, ガーゼの糸目を越える所見もなく, 良好な表皮の再生像を示した。
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