皮膚色素細胞の分化·形質発現の変化を外的表現型と内的表現型に分け,
in vitro正常色素細胞(melanocyte), 腫瘍細胞(melanoma cell)を材料とし, 走査型電顕(SEM)と透過型電顕(TEM)を用い比較し, 細胞の外的変化と細胞分化の変異に基づく機能的·内的変化との相関を求めた。
1) SEM像: Melanocyteの細胞表面ではvillous processの発達がきわめて悪い。これに反しmelanoma cellではきわめて良い。Melanosome transferはmelanosomeが樹枝状突起外に一度分泌され, その後ただちにkeratinocyteにより貪食されることによりなされる。Melanosome外膜直下にはglobular body(内径400Å)が存在する。
2) TEM像: Melanocyte, melanoma cell内にはmicrotubule, 50Å filament, 100Å filamentがcytoskeletonとして存在し, cytomorphogenesisに関与する。100Å Filamentはmelanosomeの細胞内移動に, 50Å filamentは細胞の培養皿へのanchoringに関与する。SEM下で認められるglobular bodyはmelanosome外表面のみならず内部の薄膜間にも存在する。
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