西日本皮膚科
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症例
血管脂肪腫
—とくにその血管腫性組織の電顕像—
矢崎 喜朔酒井 勝彦上田 宏大橋 勝中島 義男
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1978 年 40 巻 3 号 p. 439-451

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抄録
75才男性の両上肢, 左側頸部に多発した血管脂肪腫を報告した。組織学的に血管腫性組織の腫瘍細胞は毛細血管腔を形成しているものと管腔形成のみられないものが混じており, 電顕像においても管腔形成内皮細胞, 伴細胞, 線維芽細胞様腫瘍細胞および未分化腫瘍細胞が存在し, それら腫瘍細胞間の移行過程を示すと思われる腫瘍細胞も認められた。これらの特徴より血管脂肪腫の血管腫性組織は北村らの狭義の血管芽細胞腫に類似すると考えた。光顕的に血管内腔に認められるPAS陽性の物質は電顕像においては電子密度の高い毛筆様物質としてみられ, 部分的に200Å前後の周期性横紋が認められ, フィブリンと同定した。
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© 1978 日本皮膚科学会西部支部
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