西日本皮膚科
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シンポジウム—化粧と皮膚—
化粧品皮膚炎および女子顔面黒皮症の診断
石原 勝伊藤 静逸林 さよ子佐竹 多鶴子
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1979 年 41 巻 3 号 p. 426-439

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抄録

まずRiehl黒皮症, 女子顔面黒皮症, その他の顔の炎症後の色素沈着症の命名の由来, 異同について述べ, ついで女子顔面黒皮症に関する本邦の統計および当科で経験した症例の色素沈着のパターン, 組織所見, 発症年令, 経過, その他を報告した。化粧品皮膚炎や女子顔面黒皮症の場合, 患者が使用していた製品のパッチテストが行なわれるが, その長所と欠点を挙げ, 成績の解釈に慎重であるべきことを強調した。しかし本法は適, 不適の製品の一応のスクリーニング法としては有用と考えられ, また, 現在, メーキャップファンデーション, 頬紅, 乳液などに陽性を示す例が多いことを指摘した。化粧品成分のパッチテストについても, 種々問題的があるが, 当科におけるこの2年間の成績を参考までに表示した。結論として, 化粧品皮膚炎では弱い皮膚刺激反応と接触アレルギー反応が, 女子顔面黒皮症の場合は全例ではないが接触アレルギー反応が発症機序としてより重視される。

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© 1979 日本皮膚科学会西部支部
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