西日本皮膚科
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症例
糖尿病性水疱
—病理組織学的検討とその成因について—
大山 勝郎林原 利朗友田 哲郎坂本 安弘
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1979 年 41 巻 6 号 p. 1061-1068

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抄録
糖尿病性水疱5例(46才男子, 64才男子, 58才女子, 31才女子, 61才男子)について報告した。足背に2例, 趾に3例発生し, 組織学的に表皮内および表皮下水疱の混在型1例, 表皮内水疱2例, 表皮下水疱1例, 角層下水疱1例であつた。いずれも末梢神経伝導速度は異常な低下を示した。成因については不明であるが, 解剖学的に循環障害をきたしやすい下腿, 足背, 足趾にmicroangiopathyがおこり, 真皮上層から基底細胞にかけて浮腫, 変性, 壊死をきたし, 栄養障害におち入り, 水疱を形成するものと推測した。
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© 1979 日本皮膚科学会西部支部
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