抄録
糖尿病性水疱5例(46才男子, 64才男子, 58才女子, 31才女子, 61才男子)について報告した。足背に2例, 趾に3例発生し, 組織学的に表皮内および表皮下水疱の混在型1例, 表皮内水疱2例, 表皮下水疱1例, 角層下水疱1例であつた。いずれも末梢神経伝導速度は異常な低下を示した。成因については不明であるが, 解剖学的に循環障害をきたしやすい下腿, 足背, 足趾にmicroangiopathyがおこり, 真皮上層から基底細胞にかけて浮腫, 変性, 壊死をきたし, 栄養障害におち入り, 水疱を形成するものと推測した。