西日本皮膚科
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症例
フトラフールによる日光皮膚炎型薬疹
杉本 憲治清水 正之
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1980 年 42 巻 1 号 p. 49-53

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抄録
フトラフールによる掌蹠の色素沈着, 爪の変化に加えて日光皮膚炎型薬疹を呈した症例を報告した。患者は71才男子で, 胃癌手術後よりフトラフールを1日800mg, 6ヵ月間, 計136g, 内服したところ日光露出部に境界明瞭な腫脹した紅斑が出現し, 手掌に黒褐色色素斑と指趾の爪の黒褐色縦線条が認められるようになつた。フトラフールによる光貼布試験陽性, フトラフール200mg内服による皮疹の再現, フトラフール内服時のMEDの短縮(UVA, UVBともに), 内服誘発時再現した紅斑の病理組織学的所見で海綿状態を示したなどの検査結果から本例はフトラフールによる光アレルギー性皮膚炎の可能性があると考えられた。
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© 1980 日本皮膚科学会西部支部
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