西日本皮膚科
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研究
Aromatic Retinoid(Ro10-9359)外用皮膚の電子顕微鏡と3H-TdRオートラジオグラフィーによる研究
上田 恵一丸尾 充井上 裕司若林 俊治
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1981 年 43 巻 6 号 p. 1324-1332

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抄録

0.1% aromatic retinoidを7日間モルモット皮膚に外用し,表皮に対する効果を組織学的,電顕的,3H-TdRオートラジオグラフィーで検索し,つぎの結果をえた。
1) 組織学的には,表皮突起の延長を伴わない表皮肥厚があり,顆粒層の肥厚,基底部の基底細胞様細胞の増殖が特徴的であつた。また表皮はアルシアン青弱陽性であつた。
2) 標識細胞は基底細胞とその上2∼3層に分布し,標識率は表皮層で18%で,対照より3∼4倍上昇していた。
3) 電顕的には,表皮細胞の核小体は大型で数が多く,細胞質ではトノフィラメントの減少,多数の空胞,ミトコンドリア櫛の消失,小胞体の拡張,リボゾームの増加などが見られた。細胞間は広狭さまざまで,低電子密度の不定型物がみとめられた。デスモゾームは保たれていたが,浮遊状にみられるものがあつた。
4) Aromatic retinoid外用はretinoic acidと比較すると反応性としては同質の変化を示すが,増殖の点で明らかに低率であつた。

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© 1981 日本皮膚科学会西部支部
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