西日本皮膚科
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治療
角化異常を示す各種皮膚疾患のEtretinateによる治療
古田 博子北島 康雄森 俊二
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1982 年 44 巻 6 号 p. 1000-1007

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抄録

芳香族レチノイドの1つであるetretinateを, 角化異常をきたす各種疾患9例(尋常乾癬1例, 膿疱性乾癬3例, 水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症2例, ダリエ病1例, 皮膚疣状結核1例, 手掌の多発性皮角1例)に内服投与した。導入期として1mg/kg/日を2∼4週間投与し, 以後, 0.3∼0.75mg/kg/日の維持量とした。結果は, いずれの症例においても優れた臨床効果を示した。副作用としては, 口唇炎, 落屑, 皮膚菲薄化が全例にみられたほか, 口渇4例, 鼻腔の乾燥感3例, そう痒3例, 鼻出血2例, 爪囲炎2例, 結膜炎1例, 悪心1例, 関節痛1例, 四肢の出血斑1例が認められた。特に口唇炎は最初に現わる必発の症状と思われる。検査所見で異常を示した症例はなかつた。

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© 1982 日本皮膚科学会西部支部
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