1983 年 45 巻 1 号 p. 75-78
帯状疱疹に対しては種々の非ステロイド性消炎剤が使用されているが, その有用性についての判定は必ずしも容易ではない。自然治癒を示す本疾患においては, 症例によつて経過に著しい相違がみられる。今回われわれは, 新しい試みとして年令, 重症度, 合併基礎疾患, 併用薬剤を考慮に入れた薬効評価基準を設定し, それにもとづいてナプロキセン(ナイキサン錠)の帯状疱疹に対する治療効果を検討した。その結果, 18例中10例が有効と判定され(有効率55.6%), かつ副作用は1例にみられたに過ぎなかつた。これらの成績から, ナプロキセンは帯状疱疹に対して有用な薬剤であると評価された。