顔面を主とする難治性の青年性扁平疣贅患者50例に, ヒト線維芽細胞インターフェロン(Hu IFN-
β)の皮下注射による治療を試み, 以下の結果を得た。
1) 脱落例などを除く37例のうち17例は治癒し, 3例では著明な改善がみられた。治癒率は54.1%であつた。
2) 治癒までに要した注射回数の平均は11.4回で, 治癒した症例では, 1例を除き治癒直前に, 疣贅部につよい炎症反応が認められた。
3) 局所的ならびに全身的副作用はまつたく認められなかつた。投与後の臨床検査成績に異常値を認めず, Hu IFN-
βの皮内反応(プリック試験)にも陽性例はみられなかつた。
4) Hu IFN-
βの皮下注射は青年性扁平疣贅に対して有効と考えられるが, その効果は確実ではない。しかしながら局所投与は明らかに有効であるので, さらに投与量, 投与方法を工夫する必要がある。
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