西日本皮膚科
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研究
5-Fluorocytosineを用いた皮膚糸状菌分離培地について
津上 久弥
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1983 年 45 巻 3 号 p. 403-407

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抄録
臨床材料から皮膚糸状菌を分離培養する場合に, 混入する雑真菌および雑細菌の発育を抑制して分離成績を高める目的で, 5-fluorocytosine(5-FC)およびgentamicin sulfateを添加し, 窒素源にPhyton peptonを使用した培地を試作した。昭和55年から現在まで真菌の分離培地としてルーチンに使用し, 473例接種したうち365例に皮膚糸状菌が検出された。なお無集落74例, 雑真菌汚染による検出不能24例, 雑細菌汚染による検出不能10例であつた。そのうちactidioneとchloramphenicolを添加したSabouraud培地(SAC培地)と同時に接種した74例中両者陽性47例, 本培地のみ陽性11例, SAC培地のみ陽性5例であつた。本培地の特徴は, 作製が簡単で, 皮膚糸状菌の検出成績がよく, 皮膚糸状菌の発育がSabouraud培地より早く, Trichophyton rubrumの色素産生が早く現れた。
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© 1983 日本皮膚科学会西部支部
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