西日本皮膚科
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治療
皮膚真菌症に対するBifonazoleクリームの臨床的検討
—二重盲検法によるClotrimazoleクリームとの比較—
Bifonazole研究班
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1983 年 45 巻 5 号 p. 827-838

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抄録
Bifonazole 1%クリーム1日1回塗布の白癬, 癜風, 皮膚カンジダ症に対する治療効果, 安全性を検討するため, 全国41施設で共同研究班を組織し, clotrimazole 1%クリーム1日2回塗布を対照とした二重盲検比較試験を実施した。Bifonazole (BFZ)群は, 朝にクリーム基剤, 夜に実薬を, clotrimazole (CTZ)群は朝·夜とも実薬を塗布した。背景因子については, 足白癬と体部白癬の重症度でBFZ群が軽症に偏る分布を示していた以外, 両群間に偏りは認められなかつた。有効性検討例は767例(BFZ群388例, CTZ群379例)で, 両薬剤群とも良好な成績が得られ, 「最終治療効果」および「真菌学的効果」では, いずれの疾患においても両群間に有意差はみられなかつた。なお, 「皮膚症状改善度」では, 股部白癬においてCTZ群に比し, BFZ群が有意に優れていた。副作用については, BFZ群418例中2例(0.48%), CTZ群410例中4例(0.98%) に局所の発赤などが認められた。また, 臨床検査値については, 両薬剤によると思われる異常所見はなにもみられなかつた。以上のことより, 各種皮膚真菌症に対する BFZ 1日1回塗布は安全性が高く, CTZ 1日2回塗布に匹敵する治療効果を示すものと考えられる。
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© 1983 日本皮膚科学会西部支部
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