西日本皮膚科
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45 巻 , 5 号
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図説
症例
  •  
    黒木 康雅
    1983 年 45 巻 5 号 p. 745-753
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    アナフィラクトイド紫斑病25例について臨床像, 検査所見とくに溶連菌との関係につき検討した。臨床統計的な面では, 諸家の成績と比較して成人例に腎症状合併率が高いことを除けばきわだつた相違はなかつた。 溶連菌との関係については, ASO陽性率は35%と諸家の報告と大差なかつたが, ASK陽性率は88%と高率であつた。またSK-SDによる皮膚反応は実施した9例中8例がコントロール群と比較して強陽性反応を示し, 溶連菌との関連性が強く推察された。
  • 永田 貴士, 成沢 寛, 江川 清文, 奥村 之啓
    1983 年 45 巻 5 号 p. 754-758
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    尋常乾癬の長期PUVA療法後, 照射部位に一致して特異な色素斑を生じた2症例を報告した。臨床的には花弁状∼金平糖様の色素斑を特徴とし, 組織所見では角層内, 有棘層内に散在するメラニン色素と, 真皮のメラニンを貪食したメラノファージの著明な増加を認めた。これらの変化が特異な色素斑を形成したものであるが, 発生機序を考えると, 正常な皮膚の防御反応である色素沈着がPUVAによりメラノソーム調節機構に何らかの変化を起し, 今回のような色素沈着をきたしたと推察した。最近はPUVAによる種々の副作用も報告されており, 自験例は総照射量138jouls/cm2, 167jouls/cm2と比較的少量のUVA照射で表皮に重要な変化を認めており, 今後2症例の経過を十分に追跡する必要性を認めた。
  • 小林 まさ子, 藤田 優
    1983 年 45 巻 5 号 p. 759-764
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    症例1: 76才男子。左膝蓋部の扁平隆起性腫瘤。組織像では有棘細胞様細胞の索状増殖があり, その辺縁に棘融解と裂隙形成を認め, 腺様構造をとる。正常皮膚との移行部には老人性角化腫の所見を認める。症例2: 81才男子。左第3指背の表面潰瘍を呈する腫瘤。周辺に慢性放射線皮膚炎を認める。組織学的には胞巣全体が腺様構造をとる異型性の強い腫瘍細胞よりなる。症例3: 41才男子。熱傷瘢痕上に生じた, 左外踝部の表面肉芽様腫瘤。放射線照射, 化学療法により消退したが再発, 皮膚および肺, 腰椎に転移を来して死亡した。原発巣ではごく一部, 腰椎転移巣では大部分が, 腺様構造をとる有棘細胞癌であつた。症例4: 75才男子。右下腹部の中央が潰瘍化した腫瘤。組織学的には柱状, 分枝状に増殖した腫瘍巣の中心に棘融解と個細胞角化を認め, 腺様構造をとる。発生母地の違い, 組織像の違いは, 本症の組織発生を考える上で興味深いと思われた。
  • 城野 昌義, 小野 友道, 荒尾 龍喜
    1983 年 45 巻 5 号 p. 765-769
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    70才農夫。20才時鼻背から前頭にかけて腫瘤を発生, 以後緩徐に増大してリンゴ大以下の列序性腫瘤となつた。摘除, 植皮し, 4年後において再発はない。病理組織学的に成熟した脂腺のきわめて著明な増殖と, 部分的に拡大した毛包より成り, 増殖性脂腺母斑(仮称)として報告した。
  • 村田 英俊, 大熊 憲崇, 飯塚 一, 岸山 和敬, 大河原 章
    1983 年 45 巻 5 号 p. 770-777
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    Hodgkin病の特異疹が見られた44才の男子例を報告した。初診の約1年半前に右腋窩リンパ節腫大をきたし, Hodgkin病(mixed cellularity)と診断され, 化学療法, 放射線療法にもかかわらず, 皮疹を生じた。経過中, 特異疹以外に魚鱗癬様皮膚変化, herpes zoster generalisatusが出現した。全経過約2年で死亡したが, 剖検はできなかつた。
  • 向井 秀樹, 斉藤 隆三, 新井 春枝
    1983 年 45 巻 5 号 p. 778-783
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    われわれは臨床的に, 2∼9mm大の円形ないし楕円形の扁平やや隆起性白色小結節が癒合することなく, 上背部および上肢に多発している5症例を経験した。病理組織学的には, 表皮の肥厚および乳頭腫症がみられ, 有棘細胞や基底細胞様細胞の増殖により構成されている。これは, 充実型ないし鋸歯状型の脂漏性角化症と考えられる。しかしながら, HE, メチルグリーン染色にて病巣部基底層のメラニン量は, 明らかに減少あるいは消失しており, dopa反応ではチロジナーゼ活性を有するメラノサイトは, 正常部と同等に存在することがわかつた。以上の臨床および組織学的特徴より, われわれは本症を脂漏性角化症のvariantと考えdermatosis papulosa albaと診断した。本症のメラニン減少に関して, 電顕的に観察したところ, 角化細胞およびメラノサイト内の成熟したメラノソームは, 正常部に比し明らかに減少しているものの消失像は認められない。そして, メラノサイトにはstage II, IIIの未熟なメラノソームやフェオメラニンが多数みられることより, メラノソームの成熟障害により成熟したメラノソームの減少が生じたと考えた。
研究
  • —尋常乾癬におけるランゲルハンス細胞の動態とレチノイドの影響について—
    狩野 葉子
    1983 年 45 巻 5 号 p. 784-788
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    未治療およびレチノイド内服軽快後の尋常乾癬病巣部と病巣辺縁健常部の表皮ランゲルハンス細胞(L細胞)の動態をATPase染色とDR抗原を指標として検索した。未治療乾癬病巣部ではATPase陽性細胞の著明な減少がみられたが, DR抗原を指標にした場合には全くこの傾向は認められなかつた。乾癬病巣におけるL細胞は絶対数には変化がないものの機能低下があり, このためATPase陽性細胞数はみかけ上の減少を示したと考えられる。病的状態においてL細胞をATPase活性という一検出法で論ずるのは危険であり, 種々の方法を加えてその動態を検討する必要があると考えられた。未治療時に比べレチノイド内服軽快後には病巣部, 病巣辺縁健常部の両部位ともATPase陽性細胞の動態は正常化しており, レチノイドがL細胞に直接的に影響を与えた可能性も考えられた。
  • 長田 浩行
    1983 年 45 巻 5 号 p. 789-799
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    正常皮膚や各種皮膚疾患におけるフィブロネクチン(fibronectin, FN)の局在を蛍光抗体法を応用し観察した。正常皮膚では, 角層表皮にFNは認められず, 表皮下基底膜部に線状に, 真皮乳頭層に網目状に分布し, さらに乳頭血管壁や立毛筋, 汗腺や毛包周囲に一致してFNが認められたが, 真皮中層から深層にかけて, その沈着は認められなかつた。尋常乾癬や皮膚血管炎では, 痂皮に一致してFNが存在し, また, 接触皮膚炎や水疱症の一部で, 表皮内へのFN沈着が認められた。SLEやDLEでは, 肥厚した表皮下基底膜や血管壁に一致したFNの増加が認められ, 一方鞏皮症類では, 表皮下基底膜部や真皮乳頭層の線状, 網目状分布が減弱していた。また, ケロイド, 肥厚性瘢痕, 皮膚線維腫では, 真皮全層にかけて, 豊富で密なFNの沈着が認められた。このようなFN増減所見とその病的意義は, 現在のところ明らかではないが, これらのin vivoにおける成績と, 多様な生物学的機能を有するFNとの関係について, 若干の検討を加えた。
  • 原 紀正, 原 曜子, 白石 達雄, 藤田 英輔, 西岡 幹夫
    1983 年 45 巻 5 号 p. 800-804
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    抗actin抗体を作製し, それを用いた蛍光抗体間接法により, 正常皮膚ならびに各種の良性, 前癌性および悪性腫瘍のactin分布を観察し, 以下の結果を得た。
    1) 正常皮膚では被覆表皮, 毛包, 汗腺の各ケラチノサイト, 起毛筋細胞および血管壁の内皮細胞ならびに平滑筋細胞に陽性蛍光を認めた。
    2) 良性腫瘍である脂漏性角化症およびエクリン汗管上皮腫では, basaloid cellは蛍光陽性であつたが, squamoid cellは陽性ないし陰性と一定しなかつた。
    3) 偽癌に属するケラトアカントーマおよび前癌性疾患の老人性角化腫では蛍光陰性であつた。
    4) 悪性腫瘍であるボーエン病では蛍光陽性であるが, 基底細胞上皮腫, 有棘細胞癌, malignant trichilemmomaおよび悪性黒色腫では陽性蛍光が消失ないし減少する傾向が認められた。
  • 倉員 正俊, 恒吉 香保子, 西尾 一方, 中山 管一郎
    1983 年 45 巻 5 号 p. 805-810
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    ラクトフェリンを人乳中から分離し, 家兎に免疫した。えられた抗ヒトラクトフェリン家兎血清を用いて, 皮膚疾患(天疱瘡2例, せつ2例, 悪性リンパ腫2例, 中毒疹4例, 肉芽組織2例, アレルギー性血管炎2例, 色素性母斑2例, 老人性疣贅2例, 基底細胞上皮腫2例)計20例の組織に, 酵素抗体法および蛍光抗体法を応用して免疫細胞化学的研究を行つた。その結果, 組織内に浸潤した細胞のうち, 好中球だけを特異的に染色できることが判明した。従つて, このラクトフェリンは組織内に浸潤した好中球の同定に有用な蛋白であることが証明された。
  • 永井 純子
    1983 年 45 巻 5 号 p. 811-821
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    各種皮膚疾患166例について, 血清リポ蛋白のポリアクリルアミドゲルディスク電気泳動法による分析を血清脂質値の測定とあわせて行い, 以下の結果を得た。
    1) 黄色腫症16例では, 眼瞼黄色腫の1例を除き, 血清リポ蛋白泳動像はIIa型, IIb型, III型あるいはV型の異常像を示した。血清脂質値は眼瞼黄色腫の12例中5例では正常値を示したが, 他の黄色腫症例ではいずれも高値を示した。以上より, 眼瞼黄色腫ではリポ蛋白の質的異常, ときには量的異常を伴い, その他の黄色腫症では質的並びに量的異常を伴う可能性が示唆された。
    2) 尋常乾癬40例ではIII型が80%と高率に認められ, 本症の病態に密接な関連を有することが示唆されたが, 血清脂質値の上昇はあつても軽度にとどまる例が主で, 古典的III型高リポ蛋白血症とは何らかの相違を有すると考えられた。
    3) 掌蹠膿疱症の18例でもIII型が最も高頻度で, その点尋常乾癬と共通面を有すると考えられたが, 血清脂質値の上昇例は本症では一層高頻度で, その点一定の相違面も有することが示唆された。
    4) 油症では55年度の12例の調査でIII型をはじめ, IV型, IIa型などが高頻度にみられた。57年度に年次的推移を検討した8例では, 血清脂質値の改善は明らかでなかつたが, 一部に正常比例や他の型への移行例がみられた。
講座
治療
  • —二重盲検法によるClotrimazoleクリームとの比較—
    Bifonazole研究班
    1983 年 45 巻 5 号 p. 827-838
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    Bifonazole 1%クリーム1日1回塗布の白癬, 癜風, 皮膚カンジダ症に対する治療効果, 安全性を検討するため, 全国41施設で共同研究班を組織し, clotrimazole 1%クリーム1日2回塗布を対照とした二重盲検比較試験を実施した。Bifonazole (BFZ)群は, 朝にクリーム基剤, 夜に実薬を, clotrimazole (CTZ)群は朝·夜とも実薬を塗布した。背景因子については, 足白癬と体部白癬の重症度でBFZ群が軽症に偏る分布を示していた以外, 両群間に偏りは認められなかつた。有効性検討例は767例(BFZ群388例, CTZ群379例)で, 両薬剤群とも良好な成績が得られ, 「最終治療効果」および「真菌学的効果」では, いずれの疾患においても両群間に有意差はみられなかつた。なお, 「皮膚症状改善度」では, 股部白癬においてCTZ群に比し, BFZ群が有意に優れていた。副作用については, BFZ群418例中2例(0.48%), CTZ群410例中4例(0.98%) に局所の発赤などが認められた。また, 臨床検査値については, 両薬剤によると思われる異常所見はなにもみられなかつた。以上のことより, 各種皮膚真菌症に対する BFZ 1日1回塗布は安全性が高く, CTZ 1日2回塗布に匹敵する治療効果を示すものと考えられる。
  • —1日1回塗布法による検討—
    金原 武司, 福代 良一, 北村 清隆, 熊谷 武夫
    1983 年 45 巻 5 号 p. 839-845
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    北陸地方の3施設において, bifonazole 1%クリームの白癬に対する治療効果(臨床症状の改善度, 菌陰性化, 総合効果判定), 安全性および有用性を検索した。対象は足白癬15例(小水疱型13例, 趾間型2例), 体部白癬10例, 股部白癬5例の合計30例であつた。使用方法は, 本剤を1日1回単純塗布することとし, 治療期間は足白癬では4週間, その他の疾患では2週間とした。体部白癬と股部白癬においては, 総合効果判定の有効率がそれぞれ90.0%, 100%, 有用率は両者とも100%と優れた成績が得られた。足白癬では, 菌陰性化率は33.3%とやや低かつたが, 臨床症状の改善度や有用性についてはそれぞれ80.0%, 66.7%とよい結果がみられた。副作用としては, 足白癬において一過性の刺激症状のみられた1例があつただけで, ほかには何も認められなかつた。以上の結果からbifonazole 1%クリーム1日1回塗布法は白癬に対して有用であると判断した。
  • 名嘉真 武男, 伊集 操, 上里 博
    1983 年 45 巻 5 号 p. 846-849
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    イミダゾール系抗真菌剤, bifonazoleクリームの皮膚真菌症に対する有用性を検討した。対象疾患は, 癜風10例および皮膚カンジダ症10例の計20例で, 塗布は1日1回, 2週間としたが, 安全性の確認のため, 可能な限り長期にわたつて観察した。総合判定(2週後)は, 癜風では80.0%が有効以上, 皮膚カンジダ症では90.0%が有効以上という優れた成績であつた。また, 副作用は1例にも認められなかつた。以上の成績から, 本剤は, 皮膚表在性真菌症に対して有用な薬剤であると考えられる。
  • —二重盲検試験による臨床効果の検討—
    東レ·インターフェロン疣贅研究班
    1983 年 45 巻 5 号 p. 850-855
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    尋常疣贅に対するヒト線維芽細胞インターフェロン(human interferon-β: 以下IFNと略す)局所内投与の臨床的有用性と安全性を, placeboを対照薬剤とし, 両側の同じ部位に尋常疣贅を有する患者の左右それぞれ1個ずつの疣贅を対象として二重盲検法により検討した。解析対象例は64例で, IFN投与側の疣贅では81.3%が治癒もしくは著明に縮小したのに対して, 対照側の有効率は17.2%にすぎず, 統計的にIFN局所内投与の有用性が明確に証明された(P<0.001)。注射局所の発赤, そう痒感などの反応以外に副作用は認められなかつた。
  • 崔 洙公, 黒沢 伝枝, 水野 淳子, 峯村 協成, 中嶋 弘
    1983 年 45 巻 5 号 p. 856-861
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    横浜市立大学病院皮膚科を受診した皮膚真菌症25例に対しketoconazole内服による治療を行い良好な成績をおさめた。内訳は, 足白癬4例, 股部白癬5例, 体部白癬3例, 手白癬1例, ケルスス禿瘡2例, 爪白癬5例, 爪カンジダ症3例, スポロトリコーシス1例, クロモミコーシス1例である。何れも治療前の直接鏡検により真菌要素の証明された症例, あるいは培養により原因菌が証明された症例である。投与方法はketoconazole約3mg/kgを1日1回, 原則として朝食直後に経口投与し, 真菌学的効果, 総合臨床効果を検討した。クロモミコーシス1例を除く24例では, すべて菌の陰性化がみられた。また総合臨床効果では25例中の23例, 92%で治癒と判定された。軽度のそう痒感が2名にみられた以外, 副作用は認められなかつた。今回のわれわれの成績からみると, 本剤は皮膚真菌症の治療上, 有用な薬剤であると考えられた。
  • 楠 俊雄, 原田 誠一
    1983 年 45 巻 5 号 p. 862-868
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    白癬, カンジダ症, クロモミコーシス患者43人, 対象疾患61例にketoconazole内服治療を行い, その臨床治療成績を記載した。爪白癬では16例中著効9例, 有効3例, 無効1例, 中止3例で, 足白癬9例, 手白癬7例はすべて著効を示した。体部白癬8例では著効7例, 無効1例, 陰股部白癬4例では著効3例, 無効1例であつた。頭部白癬3例では著効1例, 無効1例, 悪化1例と成績にばらつきが認められた。ケルスス禿瘡3例中著効2例, 無効1例, 白癬性毛瘡2例では, 著効1例, 再発1例であつた。またこれまで種々の治療に抵抗していた慢性皮膚粘膜カンジダ症1例に著効を示した。爪カンジダ症6例では著効4例, 中止2例, クロモミコーシス1例には無効であつた。副作用のため内服を中止した患者は5名で, 内訳は肝障害3名(内1名は重症薬物性肝炎), 悪心·嘔吐·頭痛1名, 腹部膨満感1名であつた。Ketoconazoleは, 稀ではあるが重篤な副作用である薬物性肝炎にさえ留意すれば皮膚糸状菌症, カンジダ症, とくに慢性皮膚粘膜カンジダ症に極めて有効な経口抗真菌剤であると考えられた。
  • 古賀 哲也, 山野 龍文, 真崎 治行, 宮岡 達也
    1983 年 45 巻 5 号 p. 869-875
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    ケトコナゾール1日200mg内服により白癬51例, カンジダ症29例, 癜風2例, スポロトリコーシス1例を治療した。副作用として, 消化器症状8例, GOT·GPTの上昇5例がみられたが, すぐれた治療効果を示し, 有用な薬剤と思われた。
  • 笠井 達也, 櫻井 学
    1983 年 45 巻 5 号 p. 876-882
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    経口投与によつて抗真菌効果を示すKW-1414 (ketoconazole)を13例の表在性真菌症に用い, 優れた臨床効果を示したので, その概略を報告した。試験対象とした症例の内訳は, カンジダ性爪炎4例, 非定型皮膚カンジダ症, カンジダ性外陰膣炎, 鵞口瘡·口角炎併存例各1例, 爪白癬3例, 手白癬, 体部白癬ならびに癜風各1例である。年令は5才から73才にわたり, 男女比は4:9である。KW-1414の1日投与量は成人では200mgを朝1回に服用するのを基準とし, 小児および難治例では適宜増減した。爪以外の罹患例では, 投与日数は14∼42日で, 平均24.8日, 爪カンジダ症では83∼270日, 爪白癬では78日で中止した例以外は200日以上投与した。その結果, カンジダ症は全例治癒ないし著効, 白癬は治癒2例, 著効, 有効, やや有効各1例, 癜風の1例は有効であつた。有効以上の有効率は92.3%, 有用率は100%である。症例の大半が, 従来の治療に抵抗し, 長期間症状の存続していた症例であつたことを考慮すると, 本剤は誠に優れた内服用抗真菌剤と考えられる。副作用としては, 1例に下肢のだるさ(1日200mg), さらに増量時にめまいがみられたが, 中止により消失した。さらに1例にGPT, GOTの軽度上昇がみられた。
  • 渡辺 晋一, 下妻 道郎, 久木田 淳, 滝沢 清宏
    1983 年 45 巻 5 号 p. 883-889
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    昭和55年から57年の間に東大病院皮膚科真菌専門外来を受診した患者のうち, 直接鏡検により菌要素を証明し得た22名(年令: 3∼79才, 性別: 男15, 女7)に対しketoconazole (KCZ)の内服療法を行い, 本剤の安全性と有用性を検討した。対象疾患の内訳は足白癬6例, 爪白癬9例, 体部白癬4例, ケルスス禿瘡3例, 白癬性毛瘡1例, 爪カンジダ症6例, 手掌·足蹠の角質増殖型皮膚カンジダ症2例, カンジダ性間擦疹1例, カンジダ性指間糜爛症1例, 慢性皮膚粘膜カンジダ症(CMCC)1例であつた。KCZの投与方法は成人では1日200mg, 小児では1日100mg内服を原則とした。結果は白癬に対してはM. canisによるケルスス禿瘡の1例と浸軟の強い趾間の足白癬の1例以外の症例では, ほぼgriseofulvinと同程度の臨床効果を持つようであつた。カンジダ症に対しては, 間擦疹, 指間糜爛症では外用剤と同程度の効果がみられ, また今まで有効な治療法のなかつた爪カンジダ症, 手掌·足蹠の角質増殖型皮膚カンジダ症, CMCCでは大部分の症例を治癒させることができた。副作用は口渇1例, そう痒1例, 肝機能異常4例が認められたが, いずれもKCZ投与中止あるいは100mgに減量することにより消失した。このうちKCZ再投与により肝機能異常の再現ができたもの1例で, できなかつたもの2例であつた。以上よりKCZは肝機能の充分なチェックのもとに投与さえすれば, 種々の皮膚真菌症に対し有用な薬剤と考えられた。
  • 西沢 慶昭, 高橋 伸也
    1983 年 45 巻 5 号 p. 890-893
    発行日: 1983/10/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    真菌症に対して種々の抗真菌剤が開発·使用されているが, 抗菌スペクトラムが広範囲で, 経口投与が可能な薬剤は数少ない。今回, われわれは白癬12例(浅在性白癬8例, 深在性白癬4例)に対してケトコナゾール(KW-1414)を投与し, その効果を検討した。結果は著効9例(足白癬1例, 股部白癬1例, 体部白癬3例, 白癬菌性毛瘡1例, ケルスス禿瘡3例), 有効0例, やや有効2例(足白癬2例), 無効1例(足白癬1例)で, 有効以上の有効率75.0%, やや有効以上を有効とした場合の有効率は91.7%であつた。副作用は他疾患合併症例で発疹が出現し, 薬疹を疑い投与していた他剤と共に中止した1症例だけで, 全例に施行した一般検査成績では肝機能障害などみられなかつた。ケトコナゾールは深在性白癬にその適応があると考えた。
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