1984 年 46 巻 1 号 p. 348-351
Etretinateを落花生油に溶解してモルモットに服用せしめ, 耳介内皮膚の表皮基底細胞核DNAについて顕微蛍光測光法により検討した。5mg/kg/day投与の場合, S期およびG2+M期細胞は投与の2日目より増加し, 2週目がピークであつた。また, G1期細胞の核細胞の核蛋白量も大となつた。10mg/kg/day投与群では, これらの変化がよりはやく出現した。このことは, etretinate服用時の表皮基底細胞にあつては, G0期細胞の動員により分裂すべき細胞が増加すること, そして変化は量依存性であることを示している。