西日本皮膚科
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46 巻 , 1 号
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図説
症例
  • 加藤 卓朗, 武内 幸恵, 大滝 倫子, 宮崎 和広, 滝野 長平
    1984 年 46 巻 1 号 p. 295-302
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2012/03/21
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    症例1は41才女子で, 皮疹は掌蹠を含むほぼ全身に汎発した。治療は, ステロイドの外用が有効であつたが, 抗生物質, DDS, オキシフェンブタゾン内服療法は無効であつた。症例2は9才男子で, 頭部, 四肢に発症し, ステロイドの外用で治癒した。症例3は26才男子で, 皮疹は上肢のみに限局し, ステロイドの外用で軽快した。症例4は38才男子で, 皮疹は掌蹠を含むほぼ全身に汎発した。慢性化膿性歯周炎, 齲歯があり, 一般臨床検査でASOとASKが異常高値を示した。歯の治療, 抗生物質, オキシフェンブタゾン内服療法, ステロイド外用療法はすべて無効であつた。症例5は73才男子で, 掌蹠を除く全身に汎発し, 皮疹悪化の際, 発熱と頭痛を伴つた。ステロイド内服で現在寛解中である。以上の5例につき検討した結果, 皮疹分布の上から汎発型と限局型に大別することができた。治療についてこの観点から検討すると, 症例のタイプに応じて選択すべきであると考えられた。すなわち, 概して限局型は, ステロイド外用療法のみで充分であるが, 汎発型では, ステロイド剤の内服療法が必要なことがあると思われた。
  • —本邦最年長の水疱形成例の報告と統計的観察—
    折原 俊夫, 木村 栄, 古谷 達孝
    1984 年 46 巻 1 号 p. 303-309
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    感冒薬内服直後に既存の全褐色斑に一致して緊満性水疱が多発した8才女児の対側性播種状mastocytosisの1例を報告した。患児は生後8ヵ月頃胸部, 背部に小褐色斑が生じ, 時に皮疹部の発赤, そう痒, また発熱, 顔面潮紅, 嘔吐, 下痢をみた。6才時当科を受診し躯幹全体に米粒大までの淡褐色斑が多発してみられ, 生検にてmastocytosisと診断された。その後著変なく経過していたが, 今回感冒のためリン酸コデイン, サワシリン, ソランタールの3剤を内服したところ, 約30分後より上記の水疱が多発した。組織所見は表皮下水疱で真皮上層に帯状稠密なマスト細胞の浸潤が認められ, 6才時の所見に比してマスト細胞の増加がみられた。電顕所見ではマスト細胞顆粒の均質化, 膨化, 融合, 細胞質内大空胞など脱顆粒所見が認められた。水疱の消退後Darier徴候陽性となつた時点で上記3薬剤の内服テストを常用量で試みたが, すべて陰性であつた。従来本症の皮疹に水疱形成をみることは時々あり, とくに3才以下の乳幼児に多いとされる。本邦における本症報告例(日本皮膚科学会雑誌昭和40年∼57年の18年間)240例中水疱形成が認められたのは48例(20%)で, 病型別では単発型42例中23例(55%), 多発型118例中24例(20%)で, 残り1例は病型不詳であつた。水疱発生時年令の明記されている46例中43例が3才以下であり, それ以上は4才および6才の多発型, 6才の単発型の計3例であつた。自験例は8才7ヵ月で本邦最年長と思われる。
  • 長谷川 澄子, 谷口 芳記, 志田 祐子, 小西 得司, 須川 正宏
    1984 年 46 巻 1 号 p. 310-315
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    53才女子。手から前腕, 顔面の浮腫性硬化および皮膚生検組織での膠原線維の増生および膨化, レイノー現象, 食道運動障害などの鞏皮症症状が主体であつたが, その他筋肉痛, 筋電図変化, 高アルドラーゼ血症などの皮膚筋炎様症状および高γ-グロブリン血症を呈した。また, 免疫血清学的にはspeckled patternの抗核抗体陽性, 抗RNP抗体高値, 抗Sm抗体陰性, 抗DNA抗体低値, 血清補体価正常であつた。経過中, 労作時呼吸困難が急速に増強し, 肺高血圧症が確認され, ステロイド投与を開始したところ, 前腕, 顔面の皮膚硬化の消失, 免疫グロブリンの正常化, 抗核抗体, 抗RNP抗体の低下をみたが, レイノー現象, 肺高血圧症は不変で, 心不全症状の突然の悪化にて死亡した。自験例は, 臨床的には鞏皮症を考慮したが, 多くの免疫学的異常を有しており, 鞏皮症の中でもMCTDまたはmesenchymal sclerodermaに近縁のものと思われる。
  • 竹中 緑, 島雄 周平, 井上 多栄子
    1984 年 46 巻 1 号 p. 316-321
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    症例は66才男子。40才頃発症。両手掌, 足蹠前, 全指趾腹に1∼5mm径の黄色角化性小丘疹が多発し, 小さいものは掌指紋に沿う配列をしていた。手背, 爪, 足背には異常なく, 局所多汗や角膜混濁もみられなかつた。組織像では, 著明な過角化塊があり, 下方の表皮は陥凹し, 顆粒層の増生を軽度に認めた。連続切片でも不全角化はみとめられなかつた。Aromatic retinoid, etretinate(Ro 10-9359)50mg/day内服にて, 小丘疹は脱落し, 肥厚した角層が葉状に剥脱してきた。内服2ヵ月後, 角化塊はほとんど脱落した。しかし皮膚萎縮が著明なため9.5週で内服を中止し, 維持量内服までに至つていない。なお, 本症例は, 弟(63才), 三男(31才)にも掌蹠点状角化症をみとめたが, 弟と三男には治療を施行しなかつた。
  • Pepleomycin投与例
    高田 実, 松村 治和, 神永 時雄, 倉田 幸夫, 光戸 勇, 広根 孝衞
    1984 年 46 巻 1 号 p. 322-325
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2012/03/21
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    Stage IVの悪性黒色腫の2例に対してpepleomycin, ACNU, VCRを用いた併用化学療法を試みた。その結果, 1例では肺および脳転移に著効が認められたが, 他の1例では消化管転移に効果は認められなかつた。副作用として, 2例ともpepleomycin投与後に発熱, 悪心および嘔吐, 併用療法終了後に瀰漫性脱毛がみられたが, 肺線維症は認めなかつた。
  • 林 美保, 古賀 俊彦
    1984 年 46 巻 1 号 p. 326-330
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    66才男子。3年前左腸骨部の灸をすえた跡に糜爛性皮疹が出現したが放置, 漸次拡大隆起し, 易出血性となつた。初診時, 黒褐色の角化性隆起性痂皮を付着した紅斑性局面を呈し, 大きさは20×35mmで類円形であつた。病理組織学的に典型的Bowen病の像を呈した。自験例は, 新しい治療手段として, 大出力で浸透能と拡散能にすぐれたneodymium: yttrium-aluminium-garnetレーザーによる試験的照射を行つた。10∼15W照射部位には一部再発を認めるも, 20W照射部位は6ヵ月後の現在も再発を見ない。以上の結果より, Bowen病においては少なくとも20Wの出力が必要と思われた。なお本療法は, 現段階ではまだ多くの課題を有するが, その特質を生かした各種皮膚疾患への応用が期待され, 今後大いに検討されるべき方法と思われる。
研究
  • —白血球固着試験とNBT還元試験を用いた評価—
    岩月 啓氏, 山田 瑞穂, 田上 八朗
    1984 年 46 巻 1 号 p. 331-335
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    白血球固着試験とNBT還元試験を組み合わせる方法により, 免疫複合体と多核球との機能的相互作用を皮膚切片上で観察することができた。本試験は, 組織切片上に沈着した補体成分と多核球とのimmune adherenceを誘導し, その結果生じる多核球内でのrespiratory burstを見るものである。類天疱瘡, 天疱瘡, 乾癬に応用し, それぞれの疾患の病因を示唆する所見を得た。本法は多核球の関与する炎症性皮膚疾患の病態解明に利用価値が高いと考えられる。
  • 永田 正和
    1984 年 46 巻 1 号 p. 336-342
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    単純型表皮水疱症では, 水疱は表皮内に存在し, 電顕的には, 本症の水疱は基底細胞の核周囲からはじまり, 水疱形成後数分以内には基底細胞の核と真皮に接している細胞質にも変性がおよぶことが観察されている。著者は, 本症の発症機序の一部を解明する目的で, 患者の尿中および水疱内より複合糖質を分離し検討した。その結果, 水疱内では酸性ムコ多糖の増加を認め, また尿中でも, 中性糖タンパクおよび酸性ムコ多糖の排泄増加を認めた。この両結果より, 本症ではただ単に表皮細胞の変性崩壊のみではなく, 真皮結合織の脆弱性があり, わずかの外的刺激で真皮結合織の病的崩壊がおこり, 間質の構成物質が水疱内に溶出し, 水疱内酸性ムコ多糖の量的増加となり, さらに分解されて尿中にも排泄され, 尿中の中性糖タンパク, 酸性ムコ多糖の増加の原因になつていると結論した。
  • 林 嘉信, 安元 慎一郎, 森 良一, 安田 勝, 水田 良子, 柿原 由美子
    1984 年 46 巻 1 号 p. 343-347
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    女性の陰部疱疹患者6例からウイルス分離を試み, 5例から単純ヘルペスウイルス(HSV)を分離した。初感染3例から分離されたウイルスはすべてHSV 1型であり, 回帰発症2例から分離されたウィルスは2例ともHSV 2型であつた。HSV 1型による初感染は, いずれも男性の口唇疱疹からの感染が強く疑われた。さらに, 経時的な血清抗体の測定により, 初感染と回帰発症の抗体反応の違いについて検討を加えた。
  •  
    笹井 陽一郎, 川村 光二, 野村 洋文, 難波 和彦, 蜂須賀 裕志
    1984 年 46 巻 1 号 p. 348-351
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    Etretinateを落花生油に溶解してモルモットに服用せしめ, 耳介内皮膚の表皮基底細胞核DNAについて顕微蛍光測光法により検討した。5mg/kg/day投与の場合, S期およびG2+M期細胞は投与の2日目より増加し, 2週目がピークであつた。また, G1期細胞の核細胞の核蛋白量も大となつた。10mg/kg/day投与群では, これらの変化がよりはやく出現した。このことは, etretinate服用時の表皮基底細胞にあつては, G0期細胞の動員により分裂すべき細胞が増加すること, そして変化は量依存性であることを示している。
  • 高橋 祥公, 立花 法子, 金子 史男
    1984 年 46 巻 1 号 p. 352-356
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    Peroxidase-antiperoxidase(PAP)法は免疫組織学的検査法として, 各種の固定組織標本において細胞内および組織内の微量な抗原の特異的検出に用いられるが, 電顕による超微細抗原の検出も可能なことから, 近年多くの研究室で利用されてきている。このたびわれわれは, 皮膚科領域で凍結標本を用いて蛍光抗体法で免疫グロブリン沈着を証明できたpemphigus, bullous pemphigoid, およびlupus erythematosusなど21例について, これらのBoiun固定によるパラフィン切片を用いてDAKO PAP KitによるPAP法を施行した。成績は11例において陽性で, 検出率は52.4%であつた。本法は通常の固定法による組織標本を用いるため, 鋭敏度の点において蛍光抗体法よりも劣るが, 特別の設備を必要とせず, 手技が容易である。通常のパラフィン切片が使用できることから, retrospective studyが可能であり, 細織学的検索がより詳細に行える利点もあり, 組織内抗原検出における有用な検査法の一つと考える。
  • 長 等, 園田 優子, 小野 雅平, 相模 成一郎
    1984 年 46 巻 1 号 p. 357-363
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    本実験は紫外線紅斑に対する市販の6ステロイド軟膏のODT(occlusive dressing technique)の効果を検討したものである。この成績は, (1) 軟膏に含まれているステロイドの抗炎症作用の強さ, (2) 外用ステロイドのもつ炎症抑制効果の持続時間, 言い換えれば, 外用されたステロイドの貯留効果, などを知る根拠を与えるものである。その結果, 1時間ODTでは効果の弱いステロイド剤の紅斑抑制がほとんど認められず, 外用ステロイド剤間の効果比較という観点からは満足のいく結果を示さなかつたが, 3時間ODTでは6ステロイド剤間の差がかなり明確に表れた。ステロイド剤の効果の強弱においては, 0.05%clobetasol propionate ointmentと0.05% fluocinonide ointment がvery strongに, 0.1% hydrocortisone butyrate propionate ointmentがstrongの中位以上にランク付けられると考えられる。また0.1% halcinonide ointment, 0.1% diflucortolone valerate ointmentおよび, 0.12% betamethasone valerate ointmentはstrongの中位以下に分類されるものであろう。他方外用ステロイドの貯留効果はODT 3時間は1時間に比較して優れ, 前者ではODT終了20時間後にも認められ, 1時間ODTは12時間が限度である。
講座
統計
  • 宮岡 達也, 眞崎 治行, 本房 昭三, 占部 治邦
    1984 年 46 巻 1 号 p. 374-377
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    九州4施設における昭和56, 57年度の白癬菌培養成績を報告するとともに九州大学における昭和47年から昭和57年までの白癬菌培養成績と白癬患者数の統計を加え, 最近の九州地方における白癬菌相の動態についてのべた。九州大学の最近11年間の総分離株数は1,692株である。内訳はTrichophyton rubrumが1,303株(77%), T. mentagrophytes 271株(16%), Microsporum canis 48株(3%), Epidermophyton floccosum 40株(2%), M. gypseum 15株, T. verrucosum 6株, T. violaceum 4株, T. glabrum 4株, T. tonsurans 1株であつた。九州本土3施設の最近2年間の総分離株数は960株で, T. rubrum 716株(75%), T. mentagrophytes 183株(19%), M. canis 41株(4%), E. floccosum 12株, M. gypseum, T. glabrumがそれぞれ3株ずつ, T. tonsurans, T. violaceumがそれぞれ1株ずつであつた。琉球大学の最近2年間の総分離株数は148株で, T. rubrum 69株(47%), M. canis 49株(33%), T. mentagrophytes 25株(17%), M. gypseum 2株, T. glabrum 2株, E. floccosum 1株であつた。最近の九州地方の白癬菌相の特徴として, M. canisの浸淫がさらに著しくなつたこと, T. violaceum, T. glabrumは減少しつつあることがあげられる。
  • 東北大学皮膚科43例の臨床的, 病理組織学的特徴
    竹松 英明, 富田 靖, 加藤 泰三, 清寺 眞, 高橋 正昭, 阿部 力哉
    1984 年 46 巻 1 号 p. 378-382
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    東北大学皮膚科では, 1966年から1982年までに83例の黒色腫を経験し, 皮膚原発のものは65例であり, うち足底, 爪甲下, 手掌のいわゆるacral regionに発生したものが43例と圧倒的に多かつた。足底では踵の部分に多発する傾向があり, 爪甲下の黒色腫では拇指に集中していた。色素斑を生じてからその中に結節を生ずるという経過をたどることが多いが, 約半数の症例で色素斑の時期が1年以内と短いのが特徴的であつた。病理組織学的には, 表皮肥厚, 長い樹枝状突起を有するメラノサイトを除けば, lentigo maligna melanomaに酷似した所見を有した。Lentigo maligna melanomaとは, 日光の影響を無視出来ること, radial growth phaseが短いこと, 予後不良であることから, 別のclinical entityとすべきものと考えた。
治療
  • —再発抑制効果についての検討—
    瀬戸山 充, 米良 修二, 田代 正昭
    1984 年 46 巻 1 号 p. 383-390
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    アトピー皮膚炎患者10例にN-5′細粒剤を平均59mg/kg/日, 2.4ヵ月間投与して以下の成績を得た。
    1) 全般改善度判定では著明改善2例, 中等度改善5例, 軽度改善1例, 悪化2例であつた。
    2) 有用度判定では, きわめて有用2例, 有用5例, やや有用1例, 有用とは思われない2例であり, 有用性のみられた症例では投与期間中症状の再燃はなく, 一部ではあるが症例によつてはステロイド外用剤の離脱が可能となつた。
    3) そう痒および丘疹は2∼4週以後, 表皮剥離·掻破痕, 落屑は6∼8週以後有意に改善した。
    4) 症状の全般的重症度の改善は, 投与後8週以後において有意な傾向を示した。
    5) 副作用はなく, 臨床検査値に異常はみられなかつた。
    6) 以上のことからN-5′は, アトピー皮膚炎の治療においてベースに用いられるべき薬剤と思われた。
  • 西本 正賢
    1984 年 46 巻 1 号 p. 391-395
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    本邦で開発されたリザベンは, 肥満細胞よりのIgEを介するchemical mediatorの遊離を抑制する作用をもつとされている。本剤のアトピー皮膚炎への有用性は, すでに多施設二重盲検法で確認されている。今回, 通常の対症療法では十分なコントロールのできにくい重症および中等症のアトピー皮膚炎患者11例に対し, 対症療法中の経過を観察したあと, リザベン内服を加え10週以上の経過観察を行つた。結果はきわめて有用4例, 有用4例, やや有用1例, 有用とは思われない2例であつた。有用以上の8例のうち2例は, 季節的軽快の可能性も考えられる。なお, 全例に副作用を認めなかつた。
  • 重見 文雄, 大崎 正文
    1984 年 46 巻 1 号 p. 396-399
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    トラニラスト(リザベン)をアトピー皮膚炎9例に投与し, 少なくとも6週間は経過を観察した。著効3例, 有効3例で3例には無効であつた。副作用はまつたく, 認められなかつた。本剤は止痒作用のみではなく皮疹抑制作用も有し, 今後アトピー皮膚炎の新しい治療薬としてその効果が期待できると考えた。
  • ハイチオール研究班
    1984 年 46 巻 1 号 p. 400-412
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    薬疹, 中毒疹を含む数種皮膚脂疾患患者151例を被験対象として, L-cysteineの薬効および安全性を追究した。
    1) 汎発型薬疹, 中毒疹, ジベルバラ色粃糠疹は中等度以上の改善率も高く, 著明改善例も多く, 治癒平均日数が短いことから, ハイチオール錠の最もすぐれた適応疾患と考えられた。
    2) 自家感作皮膚炎, 女子顔面再発性皮膚炎では中等度以上の改善率は劣るが, 軽度以上の改善率は高く, 抗ヒ剤のほかに的確な併用内服剤もないことから, 本剤は試みられてよい。
    3) 尋常ざ瘡13例の効果は中等度が7例で, 不変·悪化は1例もなく, 単独投与で抗生剤, 消炎酵素剤, ビタミン剤の併用投与と等しく, 中等度以上の改善率が53.8%であつたことは評価されてよい。
    4) 円形脱毛症は自然治癒に要した期間を基準としてL-cysteine 240mg/日と480mg/日との効果を比較し, 無毛から硬毛までの期間は, ともに短縮したが, 480mg服用群では, より短縮がめだつた。また, 投与前後で解析し, 無毛の改善, 屍毛の消失, 生毛, 硬毛の増加に有意差をみた(p<0.01)。
    5) 薬疹, 中毒疹, ジベルバラ色粃糠疹, 女子顔面再発性皮膚炎および女子顔面黒皮症ならびに尋常ざ瘡などで, 本剤480mg投与群の改善率が明らかに240mg投与群の改善率を上回つた。
    6) 副作用は141例のうち, 円形脱毛症の2例(1.4%)に認めたが, 程度はきわめて軽く, 内服を持続して, それぞれすぐれた効果をおさめた。
  • —Hydrocortisone 17-ButyrateとのWell Controlled Comparative Study—
    Clobetasone 17-Butyrate外用剤臨床研究班
    1984 年 46 巻 1 号 p. 413-418
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    0.05% clobetasone 17-butyrate(以下CB)軟膏(製品)のアトピー皮膚炎に対する臨床効果を, 0.1% hydrocortisone 17-butyrate(以下HB)軟膏(製品)を対照薬として, well control-led comparative studyにより比較検討した結果, 下記の成績を得た。
    1) 実施例数64例全例が解析対象となつた。
    2) 背景因子においては, 両薬剤間に偏りを認めず, 両群は同条件下にて試験されたと考えられる。
    3) 全般改善度, 左右の優劣比較, 副作用および有用性の判定と比較の全判定成績において, 両薬剤間に有意差を認めなかつた。また両薬剤の有効率, 有用率は, ほぼ一致していた。
    以上の成績により, アトピー皮膚炎に対する0.05% CB軟膏の臨床効果は0.1% HB軟膏のそれと同等であると考えられた。CB軟膏は全身的影響ならびに局所的副作用がHB軟膏よりも有意に少ないことが知られており, これらの成績から, 病巣が広汎で長期間の治療を要し再発をくり返す幼小児のアトピー皮膚炎に対し有用性の大きい外用コルチコイド剤と考えられる。
  • 林 紀孝, 利谷 昭治, 今山 修平
    1984 年 46 巻 1 号 p. 419-424
    発行日: 1984/02/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    MS-アンチゲン40の有用性を検討し, つぎのような成績を得た。
    1) 慢性蕁麻疹28例中1例を除いて40mg/日, 80mg/日投与群いずれにおいても6回以内に効果発現が認められた。著効·有効と判定された症例は20例, その有効率は71.4%であつた。なお, 総投与量300mg未満群の有効率は54.5%と低いが, 500∼700mg群では66.6%, 1,000∼1,100mg群では100%と, 総投与量と治療成績との間に相関関係がみられた。注射局所の疼痛と発赤および全身倦怠感の訴えがあつたが, 本剤使用前後の各種検査では薬剤による副作用を思わせるような異常値は認められず, 総合的に検討して, きわめて有用4例, 有用16例, やや有用6例, 有用性なし2例と判定した。
    2) アトピー皮膚炎においても同様の効果を認めた。
    このように慢性蕁麻疹およびアトピー皮膚炎にはMS-アンチゲンは効果的に作用すると考えられるが, 投与方法, 薬剤濃度あるいは溶解液についての改良などが今後の課題であろう。
世界の皮膚科学者
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