西日本皮膚科
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治療
二重盲検法によるCA軟膏の帯状疱疹に対する臨床効果の検討
CA軟膏研究班
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1984 年 46 巻 2 号 p. 592-608

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抄録

14施設の共同研究により, CA軟膏(CA)の帯状疱疹に対する有効性および安全性について軟膏基剤(P)を対照薬として二重盲検法により比較検討した。第3病日以内に治療を開始した群では7±1日後でCA群はP群に比べ全般改善度および改善率について有意に優れていた。各症状の改善度の比較において, CA群はP群に比べ糜爛は14±1日後, 痂皮は7±1日後に優れる傾向が, 疼痛は10±1日後では劣つている傾向が認められた。第4∼6病日に治療を開始した群では10±1日後でCA群はP群に比べ全般改善度について有意に優れていた。各症状の改善度では丘疹が3±1日後, 7±1日後に優れる傾向が, 10±1日後に有意に優れていることが認められた。小水疱は3±1日後, 10±1日後, 痂皮は3±1日後に優れる傾向が認められた。しびれ感は3±1日∼14±1日後に有意に優れることが認められたが, この件に関しての意味づけは不明である。副作用の発現は第3病日以内および第4∼6病日に治療を開始した群ともにCA群およびP群でそれぞれ各1例ずつで, 出現率について両群に有意差は認められなかつた。以上の結果からCA軟膏は帯状疱疹初期の症状改善に明らかな効果があり, 有用な薬剤であるといえる。

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© 1984 日本皮膚科学会西部支部
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