西日本皮膚科
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46 巻 , 2 号
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図説
症例
  • 長田 浩行, 武井 洋二, 植木 宏明
    1984 年 46 巻 2 号 p. 485-491
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    特有な環状紅斑, 顔面の浮腫性紅斑, 下口唇の紅斑, 糜爛, 痂皮を呈した3症例について報告した。検査でLE細胞, 抗DNA抗体陰性で, 血清補体価正常, 皮疹の蛍光抗体直接法は陰性であつた。また乾燥症状は著明でなく口唇生検, 唾液腺シンチで異常をみとめなかつたが, 抗SS-A, 抗SS-B抗体陽性を示し, 経過中, 原因不明の反復性耳下腺腫脹, 眼, 口腔粘膜の乾燥症状が出現し, シェーグレン症候群との関連性が示唆された。
  • 安川 恭子, 藤野 隆博, 石井 洋一, 北岡 茂男
    1984 年 46 巻 2 号 p. 492-497
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    福岡市東区の北部に位置する三日月山(標高230m)とそれに続く立花山(標高367m)においてマダニに咬着された2例を報告した。1例目は49才の男子で, 立花山のみかん畑で下草刈をしていて左腋窩に咬着され, 2例目の8才女児は, 三日月山に遊びに行つて頭頂部に咬着された。1例目のマダニは虫体破損のため種の同定はできなかつたが, 2例目はキチマダニ, Haemaphysalis flava Neumann, 1897の雌成虫と同定された。この種は日本全土にもつとも多く分布し, 成虫は平地ないしは丘陵地で多種の野生動物や家畜に寄生することが知られている。人体咬着の報告は少なく, 従来6例が知られているが, 九州では2例目である。上記2例目で所属リンパ節の腫大がみられたほかは, 2例とも発熱などの全身症状はみられなかつた。虫体除去後, 咬着部位は治療により1∼2週間で治癒し, 予後は良好であつた。患部より摘除されたキチマダニの虫体各部の微細形態を走査電子顕微鏡を使用して観察した。
  • 川崎 洋司, 出来尾 哲
    1984 年 46 巻 2 号 p. 498-502
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    総投与量600mgの金製剤の筋注を受け, 剥脱性皮膚炎様皮疹を生じた1例を報告した。血清金濃度, 皮疹の状態, 全身投与したステロイドとの関係からステロイド剤は, 皮膚炎を軽快させると同時に皮膚の循環の改善の結果, 皮膚に沈着した金の血中への移行を促進するものと考えられた。
  • 島本 順子, 片岡 和洋, 水野 正晴, 酒井 伊勢子, 山田 悟
    1984 年 46 巻 2 号 p. 503-507
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    晩発性皮膚ポルフィリン症の皮疹部および無疹部の病理組織学的検討を行つた。本症例はアルコール摂取歴はなかつたが, 活動性慢性肝炎を合併していた。露出部の瘢痕様皮疹部のPAS染色標本では, 表皮基底膜および真皮血管周囲にPAS陽性物質の沈着がみられ, 免疫蛍光抗体直接法で同部にIgG, fibrinogenの高度沈着, およびIgAの軽度沈着が認められた。被覆無疹部皮膚のPAS染色標本では, 表皮基底膜および真皮血管周囲に軽度のPAS陽性物質沈着があり免疫蛍光抗体直接法で表皮基底膜にIgG中等度沈着, 真皮血管周囲にIgG, IgA, fibrinogenの軽度沈着が認められ, 被覆無疹部皮膚においても, 皮疹部と軽度ながら同様の所見が得られた。
  • 角田 孝彦, 小川 俊一
    1984 年 46 巻 2 号 p. 508-511
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    血清亜鉛低値を伴つた白癬性毛瘡の1例を報告した。症例は32才男子。ステロイド軟膏の使用経験がある。上口唇と下口唇に紅斑, 膿疱局面があり, 真菌鏡検, 培養でT. rubrumと同定した。眉毛部にagminate folliculitis型白癬, 臀部, 四肢に浅在性白癬を合併していた。トリコフィチン皮内テストは即時型·遅延型とも強陽性であつた。IgE高値, ツ反は強陽性, カンジダ皮内テストの即時型陰性, 遅延型強陽性, 50g GTTでoxyhyperglycemiaがあつた。血清亜鉛は56μg/dlであつた。治療はグリセオフルビンとZnSO4 1日200mgの内服を行い, 皮疹は約1ヵ月で軽快し, 血清亜鉛値も正常化した。本症例においては, 亜鉛欠乏による易感染性も毛瘡の発症に関与していると考えられた。
  • 田辺 俊英, 石崎 宏, 高野 正美
    1984 年 46 巻 2 号 p. 512-513
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    46才男子の左舌縁後半部に生じた異所性舌扁桃例を報告した。本症は単なるlymphoid hyper-plasiaではなく, 扁桃の性格を有することを述べた。
  • 藤田 優, 守田 英治, 赤松 徹
    1984 年 46 巻 2 号 p. 514-517
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    76才男子。左耳前部の怪2.1×2.0cm, 扁平隆起性, 黒色, 辺縁堤防状, 中心は潰瘍を形成する肉芽腫様腫瘤で, 組織学的には大きな部分を占めるtrichilemmomaと小部分の基底細胞上皮腫からなつていた。基底細胞上皮腫の組織発生に興味ある症例と考え, 若干の考察を行つた。
  • —退縮傾向のみられた1例—
    吉利 優子, 今山 修平
    1984 年 46 巻 2 号 p. 518-520
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    84才男子。初診の約2ヵ月前に左耳前部の丘疹に気づいた。しだいに増大し, 初診時には30×35×25mmの腫瘤となつており有棘細胞癌が疑われた。この時の生検により間葉系の腫瘍も疑われ, 全切除を行い, 最終的にatypical fibroxanthoma of the skinと診断した。初診日から入院全切除施行までの約1ヵ月の間に腫瘤は少し縮小しており, 組織学的に多量の変性塊を認めた。
  • —光顕的·電顕的観察—
    佐藤 紀夫, 鈴木 正夫, 長尾 貞紀, 飯島 進
    1984 年 46 巻 2 号 p. 521-529
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    生後21日, 男児の先天性巨大色素性母斑を光顕的·電顕的に検討した。生検5ヵ所はすべて複合母斑および神経線維腫様構造よりなるものであつたが, 「噴火口状結節」では硝子様軟骨, 平滑筋束を認めた。また軟骨組織内にmelanosomeをもつ軟骨細胞も認めた。文献的に神経櫛は色素産生細胞, 神経節などを形成し, なかでもmesectodermとよばれる神経櫛由来の「間葉」は頭部·頸部の骨, 軟骨, 結合織, 平滑筋を形成するとされており, またmesectoderm由来と考えられる腫瘍も報告されている。これらのことから自験例の母斑細胞, 軟骨, 結合織, 平滑筋を含めた巨大色素性母斑全体を, 神経櫛の先天的異常に起因するものと考えた。
  • 友田 哲郎, 工藤 昌一郎, 小野 友道
    1984 年 46 巻 2 号 p. 530-532
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    8才女児の大腿内側に認められたeccrine angiomatous hamartomaの1例を報告した。腫瘤は当初脂肪腫様の臨床像を呈し, 徐々に表面顆粒状, 暗赤色調となり被角血管腫様病変に移行した。組織学的にエクリン汗腺の増殖と被角血管腫様変化, ならびに脂肪腫様変化が存在し, eccrine lipoangiomatous hamartoma(仮称)として報告した。さらにこれらの組織学的所見をもとに本症の発生病理につき若干の考察を試み, これら3つの変化が同時に起こり得る可能性について論じた。
研究
  •  
    今山 修平, 伊川 知子
    1984 年 46 巻 2 号 p. 533-539
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    成熟ラット後脚の皮膚を材料に, HClとcollagenase処理を行い, 結合織を除去して真皮血管系の壁構造を間質の側から観察した。また, 同じ部位の透過電顕像と比較した。真皮の細動脈壁は, 密に配列された, 帯状の, 均一な平滑筋細胞層を特徴とし, その筋細胞間隙の下方には内弾性板が認められた。細静脈は, 動脈に較べて粗に配列された, 薄く, 不ぞろいな平滑筋層を持ち, 内皮に直接接していた。いずれの平滑筋細胞も, その側面から出た短い突起により互いに接触しているが, その数は動脈側に多かつた。表皮下毛細血管の周皮細胞は多様な形状を示したが, 血管の走行と同じ向きに配置された紡錘形から半球形の胞体と, その胞体から伸びた突起により血管に取り付くという型を基本的な形状としており, その型が過半数を占めた。
  • —とくにその分子サイズによる分布について—
    吉村 正子
    1984 年 46 巻 2 号 p. 540-547
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    SLE 66例, widespread DLE 12例, subacute LE 5例, localized DLE 14例において, Clq solid phase enzyme immunoassay(Clq EIA), anti-C3 solid phase enzyme immunoassay(a-C3 EIA)により, 血清免疫複合体(CIC)を測定した。またCIC陽性の血清をSephacryl S300 superfineを用いてゲル濾過し, 得られた各分画についてimmune complex(IC)活性を測定し, ICの分子サイズによる分布について検討した。1) いずれの方法によつてもSLEにおいて高い陽性率が認められた。両測定法ともに陽性を示した症例はSLEの40.9%とwidespread DLEの16.7%であつた。2) Clq EIAとa-C3 EIAによる測定値の間に有意の相関関係はみられなかつた。3) Clq EIA陽性と臨床所見との間には有意の関係がみられた。4) SLE患者血清のCICには種々のsizeのものが含まれており, Clq EIAとa-C3 EIAではそれぞれ異なつた分布を示した。両測定法が一致して陽性を示すピークの数は全体のピークの数の約1/2であつた。5) SLE, widespread DLE, subacute LE, localized DLEなどにおいて, ICの分布パターンに明らかな違いはみられなかつた。6) SLE患者2例について治療前後のICの分布を比較した。その結果, 2症例ともlarge sizeのICの消失が共通していた。しかし, 他のsizeのICについては, 絶対量の減少のほかには, 明らかに共通した変化は見出しえなかつた。今後, ICの分布と臨床症状, あるいは検査所見, とくに自己抗体価との関連, IC活性を示す各ピークにおける抗原の証明など, さらに検索を続け, 明らかにする必要があると思われる。
  • 第2報: 低濃度Griseofulvin含有飼料投与マウスにおよぼす2, 3の化学物質の影響について
    下山 時生
    1984 年 46 巻 2 号 p. 548-554
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    D-D系マウスにgriseofulvin(GF), 鉄とエチルアルコール, エストロゲン, polychlorinated biphenyls(PCB)などの化学物質を単独あるいは併用投与し, ポルフィリン代謝におよぼす影響を比較検討した。
    1) 0.1% GF含有飼料単独投与群では34匹中3匹に肝protoporphyrin(PP)の上昇を認めた。これに比べ, GFと鉄·エチルアルコール併用投与群では33匹中7匹に肝PPの上昇とcoproporphyrin(CP)の著しい増加を認めた。鉄·エチルアルコール投与群では31匹中1匹に軽度の肝PPの上昇を認めたのみで, 他はすべて正常域であつた。
    2) エストロゲン含有飼料単独投与群では, 肝PPの上昇を示した1匹を除いてすべて正常範囲であつた。GFとエストロゲン併用投与群では, 肝および血液のPPに加えてCPの増加傾向が認められた。
    3) PCB含有飼料投与群では肝ポルフィリン体値はすべて正常範囲であつた。GFとPCB併用投与群では12匹中8匹に異常がみられ, とくにCPの増加が著しかつた。GFと他の化学物質の併用投与群におけるポルフィリン代謝異常は, GF単独投与群や他の化学物質単独投与群の変化に比べて著明であつた。
    以上の結果から, 鉄とエチルアルコールの併用投与はGFのporphyrinogenic作用を増強するものと考えられた。またエストロゲンは同様の作用に加え, 未知のGFとの相互作用が加わつてポルフィリン代謝異常を増強しているのではないかと推測された。一方, PCBは逆に, GFによつてその作用を増強されている可能性があることが示唆された。
  • 坂崎 善門
    1984 年 46 巻 2 号 p. 555-560
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    悪性リンパ腫症例の皮疹およびリンパ節生検材料の電顕用エポキシ樹脂包埋試料より, 準超薄切片(semithin section)を作成し, メチレンブルー·フクシン染色を行い光学顕微鏡にて観察した。準超薄切片の厚さは約0.5∼1.0μであるため細胞の重層がなく, 核輪郭や核小体を明瞭に観察可能で, とくに核輪郭については電顕所見とほぼ同程度の所見が得られた。また準超薄切片は電顕用超薄切片と比べて切片が大きいため, 病変部を広範囲にわたつて観察できるという利点がある。とくに悪性リンパ腫では核形態が診断に重要であり, 本法は手技も簡単で診断上有用な方法と考えられた。
  • —とくにブドウ球菌について—
    平田 哲夫, 出来尾 哲, 大野 弘幸, 小笹 正三郎
    1984 年 46 巻 2 号 p. 561-564
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    昭和57年9月12日より, 12月28日までに, 山陰地方4施設の皮膚科を受診した膿皮症患者411症例を対象として, 病巣から分離された細菌の菌種, とくにブドウ球菌とその抗生物質感受性を検討した。分離された細菌は総計481株で, そのうち, ブドウ球菌は83.3%(黄色ブ菌66.9%, 表皮ブ菌16.4%)であつた。ブ菌の抗生物質感受性を全体的にみると, 黄色ブ菌では, CEX, MINO, CP, CLDM, GM, FOMに対して高く, ABPC, EMに対して低かつた。表皮ブ菌でも同様な傾向であつた。山陰地方においても, 膿皮症の病巣から分離された細菌の多くは, ブ菌, とくに黄色ブ菌であり, その抗生物質感受性は, 最近のわが国の一般的な傾向に類似していたが, 全般的に, 山陰地方では, やや高いと思われた。
講座
統計
  • 第1編 Anaphylactoid Purpuraの経過ならびに予後
    加藤 一郎, 斉藤 隆三
    1984 年 46 巻 2 号 p. 574-578
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    昭和46年から56年の間に当科を受診した患者のうち組織学的に確定した68例のanaphylactoid purpuraについて検討した結果, 1) 性別では2:3で女子に多い, 2) 発症年令では6∼9才に最も好発する, 3) 季節的には春秋に多く, 夏少ない, との結果を得た。また上記68例についてアンケート方式で郵送予後調査を施行したところ55例(81%)の回答を得た。以下にその分析結果を述べると, 4) 皮疹の経過は再発を認めないものが25例(45%)であり, 再発した症例を含めてもほとんどの症例が3ヵ月以内に消退している, 5) 合併症では40∼60%の範囲で腎症状を合併し, 少数例ながら腎炎·腎不全に陥る症例もある。腹部症状·関節症状は遷延する傾向がない, 6) 皮疹の分布と全身症状との間には明らかな関連はない, 7) 検査所見では軽度の炎症反応を認める症例が多い, また血清IgA値も上昇している例が多い, 溶連菌感染との関連は明らかではない, との結論を得た。
  • 小林 博人, 石崎 宏
    1984 年 46 巻 2 号 p. 579-581
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    保育園の4才未満の園児を対象に, 秋から春に外傷の部位別頻度を3回調査したところ, 顔64%, 下肢15%, 上肢12%, 躯幹9%で, 顔が最も外傷を受け易い部位であつた。以上から, 小児スポロトリコーシスの発生部位が顔と手に限られ, しかも圧倒的に顔に多い理由は, この時期では, 露出部位が顔と手に限られ, 顔が最も外傷を受け易い部位であるためと考えられた。
治療
  • T-107中国地区研究班
    1984 年 46 巻 2 号 p. 582-591
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    中国地区7施設の共同研究により, 昭和57年6月から1年間にわたり, 感染を伴つた褥瘡, 下腿潰瘍などの慢性皮膚潰瘍を対象に, gentamicin sulfate creamを対照薬とする二重盲検法により, T-107の臨床評価を行つた。解析対象例はT-107群45例, gentamicin群41例であつた。解析にはχ2検定, Fisherの直接確率および平均順位法によるWilcoxon検定を用いた。解析の結果, 細菌の推移についてT-107群とgentamicin群の有効率を比較すると, P. aeruginosaでは81.8%(9/11)対76.2%(16/21), Staphylococcus sp., 68.0%(17/25)対50.0%(8/16), Streptococcus sp., 72.7%(8/11)対57.1%(4/7)と, 両群間に有意差は認められなかつた。総合的な抗菌効果および総合判定についても有意差は認められず, また, 薬剤の使用に起因すると思われる臨床検査値の異常, 副作用の発現は, まつたく認められなかつた。以上の結果から, 褥瘡などの慢性皮膚潰瘍に対して, T-107はgentamicin sulfateと同等の抗菌力と治療効果を有する安全な薬剤であることが認められた。
  • CA軟膏研究班
    1984 年 46 巻 2 号 p. 592-608
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    14施設の共同研究により, CA軟膏(CA)の帯状疱疹に対する有効性および安全性について軟膏基剤(P)を対照薬として二重盲検法により比較検討した。第3病日以内に治療を開始した群では7±1日後でCA群はP群に比べ全般改善度および改善率について有意に優れていた。各症状の改善度の比較において, CA群はP群に比べ糜爛は14±1日後, 痂皮は7±1日後に優れる傾向が, 疼痛は10±1日後では劣つている傾向が認められた。第4∼6病日に治療を開始した群では10±1日後でCA群はP群に比べ全般改善度について有意に優れていた。各症状の改善度では丘疹が3±1日後, 7±1日後に優れる傾向が, 10±1日後に有意に優れていることが認められた。小水疱は3±1日後, 10±1日後, 痂皮は3±1日後に優れる傾向が認められた。しびれ感は3±1日∼14±1日後に有意に優れることが認められたが, この件に関しての意味づけは不明である。副作用の発現は第3病日以内および第4∼6病日に治療を開始した群ともにCA群およびP群でそれぞれ各1例ずつで, 出現率について両群に有意差は認められなかつた。以上の結果からCA軟膏は帯状疱疹初期の症状改善に明らかな効果があり, 有用な薬剤であるといえる。
  • Bifonazole研究班
    1984 年 46 巻 2 号 p. 609-614
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2012/03/21
    ジャーナル 認証あり
    九州地区5施設による共同研究班を組織し, bifonazole 1%液1日1回塗布による治療を行い, 足白癬, 股部白癬, 体部白癬, 癜風および皮膚カンジダ症の計138例について治療効果および安全性の検討を行つた。臨床効果の面からみると, 足白癬では有効率62.8%, 股部白癬では92.6%, 体部白癬では89.3%, 癜風では87.5%, 皮膚カンジダ症では100%, 全症例を通じて82.8%といずれの疾患にも良好な成績が得られた。副作用としては, 基剤によると思われる一次刺激反応が6例(4.4%)に認められたが, いずれも一過性で, 治療の継続には何らの支障もきたさなかつた。治療前·後に臨床検査を実施した42例では, 本剤によると思われる異常所見は認められなかつた。治療効果と安全性から総合的に判断された有用性は足白癬では有用率62.8%, 股部白癬では92.6%, 体部白癬では89.3%, 癜風では87.5%, 皮膚カンジダ症では100%, 全症例を通じて82.8%と優れた成績であつた。以上よりbifonazole 1%液1日1回外用療法は, 従来の他のイミダゾール系抗真菌剤を1日2∼3回塗布する治療法と同程度あるいはそれ以上の臨床効果が期待できるという点できわめて有用な治療法であると言える。しかし足白癬の治療効果はやや低く, 今後塗布方法などの改良を試みる必要があろう。
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