1984 年 46 巻 Suppl 号 p. 55-62
昭和38年から57年までの20年間における症例数は5,545例で, 外来患者総数58,856例の9.4%を占め, 白癬4,613例(対真菌症症例数比83.2%), カンジダ症607例(10.9%), 癜風300例(5.4%), スポロトリコーシス24例(対深在性真菌症症例数比61.5%), クロモミコーシスおよび黄癬各1例からなつていた。白癬は, 足白癬2,093例, 陰股部白癬891例, 爪白癬655例, 体部白癬622例, 手白癬329例, ケルスス禿瘡11例, 頭部白癬9例, 白癬性毛瘡2例および白癬性肉芽腫1例から, またカンジダ症は, 乳児寄生菌性紅斑201例, カンジダ性間擦疹178例, およびカンジダ性指間糜爛症103例からそれぞれなつていた。カンジダ症の各病型は, いずれも昭和47年以後増加傾向を示した。スポロトリコーシスは, リンパ管型13例および固定型11例で, 全例が山口県居住者であり, うち22例は山陽側に, また2例は山陰側に住んでいた。