西日本皮膚科
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症例
マラセチア毛包炎
山野 龍文松本 忠彦占部 治邦
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1985 年 47 巻 3 号 p. 434-439

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抄録

昭和59年7月から9月にかけて9例のマラセチア毛包炎を経験した。ケトコナゾールの内服で治療した2例は軽快し, 副作用はみられなかつた。菌学的検討, および自験例9例と本邦既報告例7例の考察によつてつぎの結果を得た。
1) マラセチア毛包炎は稀な疾患ではなく, 誤つた診断の多い疾患である。鑑別診断として, ステロイドざ瘡と夏季ざ瘡が重要である。
2) 疾患名としてはピチロスポルム毛包炎よりマラセチア毛包炎が適当である。
3) ケトコナゾールによる治療は効果が期待できる。

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© 1985 日本皮膚科学会西部支部
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