西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
治療
肝斑に対するトラネキサム酸内服療法
御子柴 甫武井 峯男高瀬 吉雄二條 貞子下里 文子野本 昭三
著者情報
ジャーナル 認証あり

1985 年 47 巻 6 号 p. 1101-1104

詳細
抄録
トラネキサム酸(TA)内服による肝斑の治療を報告した。40例にTA1∼1.5g/日投与したところ著効9例, 有効24例, やや有効5例であり無効は2例のみであつた。また効果発現までの期間が4週間以内の例が33例あり比較的短期間のうちに臨床効果をあらわした。肝斑に対する内服療法として, TAの投与は最初に試みられるべき治療法と考えた。試験管内においてTAはメラニン生成を阻害した。しかしTAが肝斑に対して有効な理由にはなお不明の点があり, 肝斑の発症に局所線溶活性(plasminogen-plasmin)が関与している可能性を指摘した。
著者関連情報
© 1985 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top