西日本皮膚科
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治療
新外用コルチコステロイド剤Difluprednateの血管収縮能の検討
—密封法と単純塗擦法による比較検討—
渡辺 靖
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1985 年 47 巻 6 号 p. 1105-1111

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抄録

Difluprednate(DFBA)外用剤の血管収縮能の検討をbetamethasone 17, 21-dipropionate(BDP)外用剤を対照薬とし, 健常成人男子22名の上背部において密封法(ODT)および単純塗擦法(SA)の二つの外用方法により同時に行い, 以下の結果を得た。
(1) ODTでは, DFBA外用剤の血管収縮能はBDP外用剤の血管収縮能と同等であつた。またDFBAでは軟膏の血管収縮能はクリームの血管収縮能よりすぐれていたが, BDPでは軟膏の血管収縮能はクリームの血管収縮能と同等またはそれ以上であつた。
(2) SAでは, DFBA外用剤の血管収縮能はBDP外用剤の血管収縮能と同等であつた。またDFBA, BDPともに軟膏の血管収縮能はクリームの血管収縮能より有意にすぐれていた。
(3) ODTとSAを比較すると, 軟膏の血管収縮能はDFBA, BDPともにODTとSAでほぼ同等であつた。一方クリームの血管収縮能はDFBA, BDPともにODTがSAよりすぐれ, 外用方法の相違による影響を受けやすかつたが, DFBAクリームはBDPクリームに比べ影響を受けにくかつた。

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© 1985 日本皮膚科学会西部支部
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