西日本皮膚科
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研究
学童期にみられる手湿疹の臨床的考察
園田 邦伸大山 勝郎前川 嘉洋
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1986 年 48 巻 4 号 p. 703-706

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抄録
手にみられる湿疹群については, 多くの病名があり, 実地診療上鑑別が困難なことが多い。最近著者らは, 現在まで報告された臨床像とはやや異なる手湿疹に注目した。すなわち学童期に多く, 5∼6月, 10∼11月に集中発生し, 接触原を明確になし得ず, コルチコイド外用剤が奏効しないことが特徴である。臨床症状, 組織所見などから, 内的因子と環境因子に接触原が加味され, 発症すると推測した。しかし, 好発年令の偏り, 発症時期の季節的偏りと, コルチコイド外用剤が奏効しないことは, ウイルスによる発症も否定できない。今後本症の臨床的概念を確立するため症例の積み重ねが必要である。
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© 1986 日本皮膚科学会西部支部
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