西日本皮膚科
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48 巻, 4 号
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図説
綜説
症例
  • 末永 義則, 武 信昭, 中山 管一郎, 土井 聖
    1986 年 48 巻 4 号 p. 647-651
    発行日: 1986/08/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    60才女子の手足に発生した扁平苔癬で両足底, 右足背の皮疹に潰瘍を形成した症例を報告した。病理組織学的に扁平苔癬の典型的所見を示し, 直接蛍光抗体法でCivatte小体にIgMとIgGの沈着を認めた。歯科金属シリーズパッチテストはすべて陰性であつた。デルモベートクリーム塗布とドレニゾンテープ貼付により軽快した。文献的には, 潰瘍を伴つた扁平苔癬の本邦報告例は, 自験例を含めて4例であつた。
  • 大川 幸三, 荒田 次郎, 佐藤 仁吾
    1986 年 48 巻 4 号 p. 652-655
    発行日: 1986/08/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    皮膚の硬化, レイノー症状など典型的な進行性全身性硬化症 (PSS) として発症し, その後リウマチ因子(RA), 抗核抗体(ANA), 抗DNA抗体, LE細胞, lupus band testなどが陽性化し, 免疫血清学的に全身性エリテマトーデス(SLE)がオーバーラップした症例について報告する。
  • 入船 弘子, 村山 史男, 大神 太郎, 野中 薫雄, 吉田 彦太郎
    1986 年 48 巻 4 号 p. 656-659
    発行日: 1986/08/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    66才男子に生じた多形日光疹の1例を報告した。初診時UVAに対しては過敏反応はなく, UVBの最小紅斑量は正常域であつた。しかし反復照射により皮疹の誘発を認めたことより, Epsteinの定義に合致する典型的な多形日光疹と考えられた。半年後, UVBの最小紅斑量の著明な短縮, 皮疹部組織および末梢血液, 骨髄中に少数の異型リンパ球が出現し, ATLA抗体陽性を示した。
  • 白石 信之, 板見 智, 瀬口 俊一郎, 高安 進
    1986 年 48 巻 4 号 p. 660-664
    発行日: 1986/08/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    64才男子の壊疽性膿皮症様皮疹を伴つたFournier’s gangrene(fulminating gangrene of the male genitalia)の1例を報告した。1年前より四肢, 腰臀部に壊疽性膿皮症様の皮疹が出現し, DDS療法中に, 突然, 陰茎の違和感, 発赤, 腫脹より陰茎亀頭部に腐敗臭の強い壊疽性潰瘍が出現し, 壊死組織より緑膿菌, 黄色ブドウ球菌などの複数細菌が分離された。創処置, デブリードマン, 抗生剤投与にかかわらず, 壊疽は急速に陰茎, 陰嚢部に拡大し, 亀頭部脱落に至るとともに貧血, 低蛋白血症の進行がみられた。Fournier’s gangreneと診断し, 陰茎切断術, 睾丸摘除術を施行した。今回のFournier’s gangreneの発症と先行する四肢, 腰臀部の壊疽性膿皮症様皮疹との関係を論じ, 若干の文献的考察を加えた。
  • 畑野 武嗣, 津田 眞五, 笹井 陽一郎, 岩尾 忠, 山内 一明
    1986 年 48 巻 4 号 p. 665-670
    発行日: 1986/08/01
    公開日: 2012/03/15
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    51才女子。初診の1ヵ月前より, 消化器症状, 頭部, 眉毛部の脱毛および顔面, 四肢末端の瀰漫性褐色色素沈着を生じた。手掌の皮膚病理組織像では, 基底層のメラニンの増加を認めた。Cronkhite-Canada症候群が疑われたため, 内科にて精査したところ, 消化管ポリポーシスの合併が証明されたため, 本症と確定診断した。内科入院後, onychotrophiaも出現した。治療は, 経静脈強化栄養とプレドニソロン内服投与が行われ, 消化器症状は改善し, 皮膚症状も爪と, 手背の色素沈着を除いて軽快した。
  • 洲脇 正雄
    1986 年 48 巻 4 号 p. 671-674
    発行日: 1986/08/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    55才女子。10年来とくに誘因なく両側乳突部に稗粒腫様小丘疹が散在性に多発してきた。組織学的に嚢腫の位置は真皮中層にあつて嚢腫内に多数の軟毛を入れていた。Eruptive vellus hair cystsと組織像は似るが, 乳突部に局在した報告はみあたらず臨床像にも相違がある。また, “集簇性稗粒腫”にも該当せず自験例を特異なhair cystsとして報告した。
  • 野中 薫雄, 大神 太郎, 村山 史男, 増本 義
    1986 年 48 巻 4 号 p. 675-677
    発行日: 1986/08/01
    公開日: 2012/03/15
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    Chromosome eighteen trisomy syndromeは多くの奇形と染色体異常を伴つた新生児の疾患である。患者は生後4日女児で, 家族内に同症なく, 血族結婚もない。生下時体重1,920g(在胎42週)で, チアノーゼ, 低体重, 心雑音, 外表奇形のため新生児センターに入院した。皮膚全体に潮紅が著しく, 全身ことに四肢伸側, 背部, 臀部, 大腿にかけて多毛を認めた。その他, 耳介の下方位置, 耳介奇形, 胸骨短縮, 手指の交叉現象, VSD, ASDを伴つていた。染色体数は47で, 18 trisomyを認めた。皮膚病理組織学的所見では毛包数の増加は認められたが, 形態学的異常は認められなかつた。生後23日目, 呼吸機能不全のため死亡した。本症候群の皮膚科的記載は比較的少なく, 頸部のcutis laxa, 多毛, 大理石様斑, 指紋の異常, 四肢爪の形成不全などがみられるが, 本患者では多毛のみであつた。
  • 桜井 由美子, 岡部 恵美子, 川村 太郎, 田嶋 公子, 池田 重雄, 余 敏子
    1986 年 48 巻 4 号 p. 678-682
    発行日: 1986/08/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    61才男子の顔面皮疹からの出血で来院し, 顔面および他の部位の皮疹の臨床, 組織学的所見で本症と診断した症例を報告した。さらに頭部CT, 蛍光眼底検査所見はこの診断を補強した。この症例を含めて60才以上の本邦報告例は5例あり, これらに共通することは知能の障害がないかまたは軽度ということである。今回は皮疹からの出血が主訴となつたが, このように病変から出血することの可能性およびその意義を指摘した。
  • 野崎 恵美子, 土屋 雅則, 千葉 紀子, 下田 祥由, 関 建次郎
    1986 年 48 巻 4 号 p. 683-689
    発行日: 1986/08/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    高校の友人間につぎつぎと発症した19才女子, 19才男子, 18才女子の顕症梅毒3例を報告し, 当教室における顕症梅毒の統計的考察を加えた。症例1: 19才女子。初診: 昭和58年10月。同年2月より6月頃まで感染機会があつた。初診時, 外陰部に扁平コンジロームを認め, 暗視野法などにて, Treponema pallidumを確認した。症例2: 19才男子。症例1と7月よりしばしば感染機会があつた。初診時, 陰茎起始部に丘疹性梅毒を認めた。症例3: 18才女子。症例1と交遊関係にあつた男子と8月頃, 感染機会があつた。初診時, 躯幹にばら疹, 外陰部に扁平コンジロームを認めた。いずれもSTS, TPHA, FTA-ABSが陽性であつた。
  • 井上 裕司, 高石 公子, 上田 恵一, 馬場 道夫
    1986 年 48 巻 4 号 p. 690-692
    発行日: 1986/08/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    58才男子の右側腹部に圧痛, 放散痛を伴う小結節を認め, 組織学的に典型像を示したeccrine spiradenomaの1例を報告した。さらに自験1例を含む本邦報告45例において, 臨床的事項について統計的に観察するとともに, 本腫瘍の悪性化例についても文献的に検討し, 若干の考察を加えた。
研究
  • 岡崎 美知治, 成田 博実, 緒方 克己, 井上 勝平
    1986 年 48 巻 4 号 p. 693-699
    発行日: 1986/08/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    昭和52年11月から昭和60年4月までの7年半の間に宮崎医科大学皮膚科で経験した放射線皮膚障害43例について, 臨床的, 組織学的に検討を行つた。
    1) 43例中急性放射線皮膚炎は15例, 慢性放射線皮膚障害は28例であつた。
    2) 照射原疾患では急性放射線皮膚炎が全例悪性腫瘍であつたのに対し, 慢性放射線皮膚障害では良性疾患群17例, 悪性腫瘍群7例, 職業性4例であつた。
    3) 慢性放射線皮膚障害28例中, 組織学的検索を行い得たのは23例であつた。臨床的に多形皮膚萎縮症(poikiloderma)にとどまつている症例でも組織学的には表皮細胞に明らかな癌化はみられないまでも軽度異型性(mild atypia)の所見を呈していた。
    4) 組織学的にはmild atypiaにとどまつているもの9例, 表皮内癌6例, 有棘細胞癌7例, 肉腫(MFH)1例であつた。
    5) とくに手足部にみられる角化性病変は組織学的に悪性度が高い傾向がみられた。
  • —治療効果を予測する因子としての色差の役割—
    中野 朝益, 手塚 正
    1986 年 48 巻 4 号 p. 700-702
    発行日: 1986/08/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    色差計を用い単純性血管腫の赤色調をL, a, b表色系により定量化し, 赤色調の程度とアルゴンレーザー療法に対する治療効果との関係を検討した。個々の症例において皮疹の4ヵ所を測定し平均値をとつた。対側健常部を対照とした。L, a, b表色系においてaの値を赤色の度合いを数値化したものとみなした。著効あるいは有効を示した症例は57例で, それらのaの値の平均値は3.95±1.24NBS単位であつた。やや有効の症例は67例で, それらの平均値は3.18±1.13NBS単位であつた。無効の症例は46例で, それらの平均値は1.73±0.88NBS単位であつた。これらの三つのグループの間には5%の危険率で統計学的に有意の差がみられた。色差計を用いL, a, b表色系におけるaの値を知ることによつて, 単純性血管腫のアルゴンレーザー療法に対する治療効果を容易にかつ客観的に予測でき, 臨床上有用である。
  • 園田 邦伸, 大山 勝郎, 前川 嘉洋
    1986 年 48 巻 4 号 p. 703-706
    発行日: 1986/08/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    手にみられる湿疹群については, 多くの病名があり, 実地診療上鑑別が困難なことが多い。最近著者らは, 現在まで報告された臨床像とはやや異なる手湿疹に注目した。すなわち学童期に多く, 5∼6月, 10∼11月に集中発生し, 接触原を明確になし得ず, コルチコイド外用剤が奏効しないことが特徴である。臨床症状, 組織所見などから, 内的因子と環境因子に接触原が加味され, 発症すると推測した。しかし, 好発年令の偏り, 発症時期の季節的偏りと, コルチコイド外用剤が奏効しないことは, ウイルスによる発症も否定できない。今後本症の臨床的概念を確立するため症例の積み重ねが必要である。
  • 清島 真理子, 森 也寸史, 太田 孝, 大谷 道広, 渋谷 保子
    1986 年 48 巻 4 号 p. 707-714
    発行日: 1986/08/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    1983年1月より1985年4月までに県立岐阜病院皮膚科を受診した未治療の顕症梅毒患者中, その後6ヵ月以上にわたつて来科した症例(一期19例, 二期8例)について, 一期梅毒にはBAPC1,500mg/日内服2週間, 二期梅毒には4週間内服を行い, 治療前, 治療中および治療後の各種梅毒血清反応を経過を追つて測定した。治療開始後のガラス板法, 緒方法, TPHA, 分画TPHA法によるTPHA-IgM, IgM-FTA(20×)を比較すると, 一期, 二期ともTPHA-IgMがまず陰性化し, それと同時期か少し遅れてIgM-FTA(20×)が陰性化した。つぎに一期では緒方法, ガラス板法が陰性化した。二期では緒方法, ガラス板法, TPHAとも6ヵ月後にも陽性を示していた。TPHA-IgMの陰性化時期の平均は治療開始後, 一期では8.1週, 二期では11.1週であり, 一期では二期に比べ約3週間早かつた。一期梅毒(男子7例, 女子12例)を男女別に比較するとガラス板法および緒方法では女子の方が陰性化が遅いが, TPHA-IgMではほとんど差がなかつた。
  • 長谷川 隆, 小林 まさ子, 寄藤 和彦, 伊藤 達也, 吉田 秀史, 岩崎 光順, 松井 千尋, 大類 聡明
    1986 年 48 巻 4 号 p. 715-719
    発行日: 1986/08/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    下眼瞼部の皮膚腫瘍に対して, open treatmentを11例に施行した。男子4例, 女子7例で, 年令は43才から82才まで, 平均59.5才であつた。内眥部5例, 外眥部3例, 中央部3例で, 欠損の大きさは4×4mm(円形)から15×8mm(半円形), 22×5mm(長楕円形)で, 全例2週間以内に治癒し, 機能障害を残すことなく, 整容的にも満足のいく結果であつた。本法は簡便であるため短時間ですみ, しかも手術侵襲が少ないので, 高令者や重篤な合併症を有している場合によい適応がある。さらに, 誰が行つても同じ結果が得られるので, 手術の苦手なわれわれ皮膚科医にとつて好都合な術式であり, 今後広く行われてよい手術法と考える。
講座
治療
  • —FAPG基剤と抗生物質配合の比較—
    西本 勝太郎, 鈴木 公子, 喜々津 京子, 宿輪 哲生, 小野 早苗
    1986 年 48 巻 4 号 p. 726-729
    発行日: 1986/08/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    1) 副腎皮質ステロイド外用時における皮疹の改善度と局所におけるブドウ球菌数の変動を, 被験薬剤0.05% fluocinonide-FAPG基剤および対照薬剤gentamicin 加 0.12% betamethasone-17-valerateについて経時的に観察·比較した。
    2) 対象として, できるだけ身体の対照的な位置に湿潤性病変をもつ患者17名の20対の病巣をえらび, その各々を上記の各薬剤で治療し, 1週ごとに明らかな効果判定ができるまで治療した。
    3) 皮表のブドウ球菌数は, ガラスリングと洗滌液を用いた混釈培養法により算出した。
    4) 臨床症状の改善度は両薬剤でほとんど等しく, 多くの場合1週, おそくとも2週目には肉眼的に治癒の状態となつた。
    5) 皮表の菌数は, 2例を除き臨床症状と併行して減少した。両薬剤間で減少傾向に差はみられなかつた。
    6) 抗生物質外用に際してのいくつかの問題点を指摘し, 抗菌性軟膏基剤の有用性を論じた。
  • 中森 三千代, 小澤 明
    1986 年 48 巻 4 号 p. 730-733
    発行日: 1986/08/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    Diflorasone diacetate 0.05%含有軟膏(DDA軟膏と略記)を用い, 湿疹·皮膚炎群, 尋常乾癬, 痒疹群, 掌蹠膿疱症, 紅皮症, 計25例に対する臨床効果と副作用について検討した。その結果, 全症例25例で, 有用以上と判定できたのは84%(21例)で, 疾患別には, 湿疹·皮膚炎群88%, 尋常乾癬100%, 痒疹群100%, 掌蹠膿疱症33%, 紅皮症100%で, 比較的急性の経過をとる疾患(接触皮膚炎3例)と慢性の経過をとる疾患に分けると前者で67%, 後者で86%であつた。この結果より, DDA軟膏は, 急性および慢性疾患のどちらにも有効であるが, とくに, 尋常乾癬, 痒疹群, 紅皮症といつた難治性の慢性疾患できわめて優れた効果を示した。観察期間中, 全身および局所的副作用の発現は認められなかつた。以上より, DDA軟膏が皮膚疾患に対して優れた臨床効果を示すこととともに, その副作用がきわめて少ないことが認められた。
  • 田中 正和, 吉田 彦太郎
    1986 年 48 巻 4 号 p. 734-737
    発行日: 1986/08/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    アトピー皮膚炎患者17例にketotifenドライシロップを投与し, 相当に有効な成績を得た。また眠気などの副作用も比較的少なく, 今後の臨床応用が十分期待できる有用な薬剤であると考えられる。
  • LKF-A研究班
    1986 年 48 巻 4 号 p. 738-748
    発行日: 1986/08/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    養毛剤LKF-A(ペンタデカン酸グリセリド4%, 酢酸dl-α-トコフェロール0.2%, ビオチン0.03%, イソプロピルメチルフェノール0.1%を含むエタノール製剤)の男性型脱毛症に対する有効性を評価するために, 16週間の臨床評価試験を実施した。本試験は比較対照薬として, LKF-A製剤からペンタデカン酸グリセリドだけを除いた薬剤を用い, LKF-A群127症例, 対照薬群126症例を対象とした二群比較の二重盲検法により実施した。この結果, 毛髪所見(抜け毛の減少, うぶ毛の発生, 毛の質の変化)において, LKF-Aは対照薬に比べ有効性が高く, これらを基礎とした改善度評価においてLKF-Aの優れた有効性が認められた。また, LKF-A群, 対照薬群とも全試験期間中, 副作用は1症例も認められず, 一般臨床検査においても, 両薬剤に起因すると考えられる異常値は認められなかつた。そして, 有効性および副作用の両面から有用性を試験終了時に最終総合評価として評価した。この結果, LKF-Aの有用率は72.4%, これに対し対照薬は41.3%であり, 群間に有意な差(P<0.01)が認められた。さらに, 洗髪時の抜け毛量に着目し, 試験前, 中間時, 終了時に各々洗髪時に抜ける毛を採取·測定した結果, LKF-Aは対照薬に比べ抜け毛量を減少させることが明らかにされた。
  • 三原 基之, 飯塚 恒敏, 阿曽 三樹, 島雄 周平, 小谷 仁美, 浜田 驍, 中久喜 茂也
    1986 年 48 巻 4 号 p. 749-753
    発行日: 1986/08/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    尋常天疱瘡患者2例にプレドニソロンと柴苓湯を併用し, 約3年間の経過を観察した。プレドニソロンは順調に減量され, 現在の維持量は, 症例1では1日平均5.5mg, 症例2では1日平均2.5mgである。2例ともステロイド剤および柴苓湯の副作用はみられない。
  • 寺本 範子, 塚本 宏太郎, 斉藤 隆三
    1986 年 48 巻 4 号 p. 754-757
    発行日: 1986/08/01
    公開日: 2012/03/15
    ジャーナル 認証あり
    巨大潰瘍を呈した結節性動脈炎皮膚型の1例にリポプロスタグランディンE1(Lipo PGE1)の点滴静注法を施行し著明な改善を認めたので報告した。症例は69才男子。初診時, 右下腿に21×8cmの巨大潰瘍を認め精査, 治療目的にて入院となつた。潰瘍部の疼痛と両足のしびれ感を伴い, 左下腿伸側には5×4cmの浸潤を触れる紅斑も認められた。紅斑部の病理組織学的所見で真皮, 皮下脂肪織の小動脈に壊死性血管炎がみられた。潰瘍に対し, Lipo PGE1(PGE1として10μg/日)の点滴静注法を計42日間施行, PGE1として総計420μgを投与した。治療後の潰瘍の上皮化は著しく, Lipo PGE1が著効を示したと考えられた。
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