西日本皮膚科
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研究
慢性蕁麻疹の心理的側面
牧野 良造
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1986 年 48 巻 5 号 p. 942-949

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抄録

慢性蕁麻疹患者の97例にモーズレイ性格検査を行い, 以下の結果を得た。性格の一般的パターンあるいは全体像としては, 正常者群とは異質集団であつた。その特徴は, 外向性(男>女)であり, 神経症的傾向はなかつた。易怒性は女子のみに認められた。ただし, 身体的因子による内訳では, 吸入アレルゲンテスト陰性群には外向性は認められず, 同陽性群は同陰性群より神経症的傾向が強くみられた。精神·心因性疾患中, 本症は器官神経症·大腸機能異常群と同質の性格を示した。そこで, 本疾患の背景には心理学的側面があることになり, 慢性蕁麻疹には心理的因子と身体的因子がたがいに影響しあい, 重なりあう疾患, すなわち, 心身症的考察を強く必要とする疾患であると考えた。心身医学的に見た病気の分類上, 性格心身症に属する可能性を仮定してみた。

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© 1986 日本皮膚科学会西部支部
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