西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
研究
リザベンの血清GOTおよびGPT測定におよぼす影響
中山 樹一郎旭 正一占部 治邦木下 幸子石井 信子服部 幸子中原 睦子
著者情報
ジャーナル 認証あり

1986 年 48 巻 5 号 p. 950-954

詳細
抄録

リザベン(トラニラスト)を乾癬およびアトピー皮膚炎10例に400mg/日以上の内服投与をおこなつた。2週間以上内服した時期の肝機能を測定すると, 通常のSMAC法で測定した場合, 10例中7例がGOT, GPT高値(測定不能)を示した。この血清を別の方法(Reitman-Frankel法)で測定すると, GOT, GPTいずれも正常域で, 真の肝機能障害ではないと思われた。分析の結果, リザベンの吸光スペクトルは340nmで, SMAC法の測定波長と偶然一致しており, またGOT·GPT測定試薬系への非特異的干渉効果も加わつて, 血中のリザベンによる吸光増大をおこすものと考えられた。

著者関連情報
© 1986 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top