西日本皮膚科
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治療
慢性湿疹·皮膚炎群に対するヒスタグロビン間歇適量療法の効果
中山 樹一郎松本 忠彦武石 正昭松田 知子今山 修平眞崎 治行八島 豊占部 治邦
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1986 年 48 巻 5 号 p. 977-982

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抄録
慢性湿疹·皮膚炎群に対するヒスタグロビン2週に1回, 3バイアル投与法の臨床効果を, L-システイン製剤を対照薬として検討した。
1) 解析対象例の内訳は, ヒスタグロビン(HG)群20例, L-システイン製剤(LC)群11例であつた。
2) HG群とLC群の患者背景には, 分布に差を認めなかつた。
3) HG群の有効率は90%, LC群の有効率は45.5%で, HG群がLC群より優れていた。有用性も同様の結果であつた。
4) ステロイド外用剤, 抗ヒスタミン剤使用量では, HG群にステロイド外用剤の減少傾向が認められた。
5) 臨床症状を初診時と比較すると, HG群ではそう痒, 紅斑, 丘疹, 苔癬化, LC群ではそう痒, 紅斑, 丘疹に有意な改善が見られた。
6) 全般改善度は, HG群がLC群より優れていた。
7) 副作用, 臨床検査異常値は認められなかつた。
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© 1986 日本皮膚科学会西部支部
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