発達心理学研究
Online ISSN : 2187-9346
Print ISSN : 0915-9029
親が抱く子どもの安全への心配 : 妊娠期から小学校入学までの縦断研究から
岡本 依子菅野 幸恵東海林 麗香八木下(川田) 暁子青木 弥生石川 あゆち亀井 美弥子川田 学高橋 千枝
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2010 年 21 巻 4 号 p. 353-364

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抄録
親が抱える子どもの安全についての心配は,子どもの成長につれてどのように変化するのだろうか。本研究では,妊娠期から小学校入学後までの7年間にわたる母親へのインタビューを通して,母親が語る子どもの安全についての心配を検討した。分析1では,エピソードの概要を捉えるべく,子どもの安全への心配として,どのようなテーマが語られたかを整理し,子どもの被害-加害状況および心配の現実度の点から,カテゴリを準備し時間軸上で検討した。分析2では,それぞれのエピソードを詳細に検討するため,質的分析を試みた。その結果,子どもの安全への心配についての,母親の語りは,妊娠期から0歳代には,事件,1〜2歳代さらに3〜5歳のころには,事故やいざこざ,その後半期にはきょうだいげんか,さらに,小学校に入学すると,ふたたび事件へと焦点化されていることがわかった。また,入学後の事件の語りは,それ以前の安全への心配の語り方と大きく異なることから,小学校への移行の問題について議論した。
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© 2010 一般社団法人 日本発達心理学会
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