西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
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症例
Cutaneous T Cell Lymphoma
—脂肪織炎として初発し, 剖検にて組織球の著明なerythrophagocytosisをみた症例—
長尾 貞紀伊藤 信夫高橋 博田崎 京子滝口 好彦佐藤 紀夫飯島 進朝比奈 章悟北條 洋若狭 治毅
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1987 年 49 巻 3 号 p. 447-453

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抄録

61才男子にみられたcutaneous T cell lymphoma(CTCL)を報告した。本症例ははじめの2年8ヵ月間, 多発性に皮下脂肪織炎を繰り返し, 死亡2ヵ月前になつて細胞学的に特異な性格を持つCTCLがあらわれ, 剖検では骨髄·脾·肝·リンパ節に反応性に増殖した組織球による著明なerythrophagocytosisがみられた。このような経過をとったCTCLは稀有のものと思われるので, 脂肪織炎と悪性リンパ腫との関係, さらに悪性リンパ腫に続発したreactive histiocytosisについて文献的考察を加えてこれを報告した。

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© 1987 日本皮膚科学会西部支部
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