1987 年 49 巻 4 号 p. 655-660
1975年から1986年までに当科で経験した表皮母斑83例中8例に他臓器異常を伴つており, epidermal nevus syndromeと診断した。骨異常5例, 中枢神経系異常2例, 血管腫3例を認めた。心室中隔欠損1例, 生殖器異常3例をも認め, これらもepidermal nevus syndromeの症候と考えた。表皮母斑が広範囲におよぶときや顔面にみられるときは, 合併異常の検索を行うべきと考える。また本症候群には悪性腫瘍を合併することがあるので長期にわたる経過観察が必要であると思われる。